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組織は、法令遵守、法的情報、またはその他のビジネス要件のため、一定期間ドキュメントを保持する必要がある場合があります。ただし、組織が必要以上に長くドキュメントを保持すると、不要な法的リスクが発生します。ドキュメント削除ポリシーを使用すれば、特定の期間が経過した後でサイト内のドキュメントを自動的に削除して、リスクを事前に軽減することができます。たとえば、OneDrive for Business サイトでは、作成から 5 年が経過したドキュメントを削除することができます。

ドキュメント削除ポリシーは、強力でありながら柔軟で、たとえば次を実行できます。

  • サイト所有者に、一元的に作成して管理しているポリシーから選択させることができます。またサイト所有者が、特定のポリシーを自身のコンテンツに適用すべきでないと判断した場合に、サイト管理者がそのポリシーを使わないことを許可することもできます。

  • すべての OneDrive for Business サイトなど、サイト コレクション内のすべてのサイトに 1 つの必須ポリシーを適用したり、チーム サイト テンプレートなどの特定のサイト コレクション テンプレートから作成されたすべてのサイト コレクションにポリシーを適用したりすることもできます。

  • サイトの所有者によるアクションを必要とせずに、自動的に適用される既定のルールの既定のポリシーを提供できます。

  • サイトの所有者が選択できる複数の削除ルールを含むポリシーを作成できます。

ドキュメント削除ポリシーの作成と管理は、コンプライアンス ポリシー センターで行います。

コンプライアンス ポリシー センター

ドキュメント削除ポリシーを使用する状況

ドキュメント削除ポリシーに加えて、SharePoint Server 2016 は、サイトのコンテンツ用に次の保持ポリシーを提供しています。

各種類のポリシーは特定の種類のサイトやデータに対して最適に機能します。たとえば、組織には、契約の財務サイトや記事のナレッジ ベースなどのコンテンツ タイプを使用する高度に構造化されたサイトがある場合があります。この場合、コンテンツ タイプ ポリシーを使用することができます。または、組織で、法律文書を保持する必要がある場合があり、その場合はコンテンツ タイプとレコード センターを使用して、ファイル計画を実装できます。

ドキュメント削除ポリシーは、構造化データとコンテンツ タイプで最適に機能するレコード管理ポリシーや情報管理ポリシーに取って代わるものではありません。一方、OneDrive for Business サイトやチーム サイトなどの非構造化データの自動削除を幅広く管理する必要がある場合は、ドキュメントの削除ポリシーを使用すべきです。

サイトのコンテンツの保持機能の図

既に情報管理ポリシーを使用しているサイトにドキュメント削除ポリシーを適用した場合、ドキュメント削除ポリシーが有効な間は、それらのポリシーは無視されます。つまり、サイトでは、構造化コンテンツまたは非構造化コンテンツのどちらか (両方ではなく) を対象にしたポリシーのみを使用するように計画する必要があります。ドキュメント削除ポリシーが他のポリシーを上書きするしくみの詳細については、「サイトにドキュメント削除ポリシーを適用または削除する」を参照してください。

他のポリシーと異なり、ドキュメント削除ポリシーは、ドキュメント ライブラリにのみ機能し、リストには機能しません。

削除ポリシーとルール

ドキュメント削除ポリシーには、次を指定する 1 つ以上の削除ルールが含まれます。

  • 削除するまでの期間。

  • 削除日をドキュメントの作成日または最終更新日のどちらを基に算出するか。

  • ドキュメントを完全に削除するか、またはごみ箱に削除するか。

ポリシーに複数のルールがある場合、サイト所有者はコンテンツに最も適したルールを選択することができます。

新しいルール ページ

ポリシーと割り当て

ドキュメント削除ポリシーを作成したら、それをサイト コレクション テンプレートに割り当てることができます。たとえば、すべてのユーザーの OneDrive for Business が含まれるように、OneDrive for Business テンプレートにポリシーを割り当てることができます。サイト コレクション テンプレートにポリシーを割り当てると、ポリシーは、将来そのテンプレートから作成されるすべてのサイト コレクションに加え、そのテンプレートから既に作成されたすべてのサイト コレクションに適用されます。

OneDrive for Business テンプレートへの割り当てオプション

ポリシーを特定のサイト コレクションに割り当てることもできます。そうすると、該当するサイト コレクション テンプレートに割り当てられているどのポリシーよりも優先されます。たとえば、チーム サイト テンプレートにポリシーを割り当てられますが、そのテンプレートから作成された特定のサイト コレクションに別の一連のポリシーを適用して、それらを上書きできます。

1 つの必須ポリシーまたは選択する複数のポリシー

ポリシーを割り当てる際に、このポリシーのみを割り当てることができ、サイト コレクションのすべてのサイトに適用されるように、それを必須にすることができます。サイト所有者は、必須ポリシーをオプトアウトできません。これは、サイト内のドキュメントが何があろうと、削除ポリシーの対象になることを意味します。

ポリシーを必須としてマークするオプション

1 つのポリシーを必須にする代わりに、複数のポリシーをサイト コレクションに割り当てることもできます。これにより、各サイト所有者が各自のサイトに適用するポリシーを選択したり、またはまとめてオプトアウトしたりすることもできます。たとえば、一般的なビジネス ドキュメント用に 1 つのポリシー、異なる保持スケジュールを持つ財務ドキュメント用に別のポリシーを作成できます。サイト所有者は多くの場合、自分のサイトにどのようなコンテンツが含まれているか最もよく知っているため、適用すべきドキュメント削除ポリシーを最もよくわかっています。各サイトに適用できるポリシーは 1 つだけです。

1 つのルールまたは選択する複数のルール

次に、各ポリシーには、多くのルールを含めることができます。たとえば、一般的なビジネス ドキュメントの削除ポリシーに次の 2 つのルールを含めるとします。

  • 法的義務または継続的なビジネス ニーズに基づいて、保持する必要がないドキュメントは作成から 1 年以上保持しない。

  • 1 年以上必要とされ、アクティブで継続的なビジネス用途に必要なドキュメントは作成から 3 年以上保持しない。

サイト所有者は、サイトに一般的なビジネス ドキュメントが含まれているか判断し、この削除ポリシーを選択して、ポリシーから適切なルールを選択できます。サイトに現在適用されているポリシーからのみ (任意のポリシーからではなく) ルールを選択でき、ルールはサイト内のすべてのドキュメント ライブラリに適用されます。

サイト コレクション、ポリシー、およびルールのリレーションシップ

基本的なリレーションシップには次のものがあります。

サイト コレクションまたはサイト コレクション テンプレートには、2 つ以上のポリシーを割り当てることができ、各ポリシーにはそれぞれ 1 つまたは複数のルールを含めることができます。ただし、サイト当たりアクティブにすることができるポリシーは 1 つだけあり、またサイト内のライブラリに対してはいかなる場合も 1 つの削除ルールしかアクティブにすることはがきません。

ポリシーとルールを示す図

ドキュメント削除ポリシーは継承される

アクセス許可、ナビゲーション、およびその他の多くのサイト機能と同様に、ドキュメント削除ポリシーは継承されます。サイト所有者は自分のサイトのドキュメント削除ポリシーを選択することができ、すべてのサブサイトは親からポリシーを継承します。サブサイトの所有者は別のポリシーとルールの組み合わせを選択することにより、継承を解除することができます。そのポリシーは継承が再度解除されるまで、すべてのサブサイトに適用されます。

初めてドキュメント削除ポリシーを割り当てる

ドキュメント削除ポリシーに対して指定される期間は、ドキュメントが割り当てられてからの時間ではなく、ドキュメントが作成または変更されてからの時間であることに注意してください。たとえば、作成されてから 2 年後にドキュメントを完全に削除するドキュメント削除ポリシーを作成し、いくつかのサイト コレクションが 4、5 年前に作成されたサイト コレクション テンプレートにそのポリシーを割り当てることができます。この場合、既存のサイト コレクションに、削除ポリシーで指定された 2 年より既に古い多くのドキュメントが含まれている可能性があります。これは、ドキュメント削除ポリシーを初めて割り当てた後すぐに、大量のコンテンツが削除されることを意味します。

ポリシーを初めて割り当てると、サイト内のすべてのドキュメントが評価され、条件を満たしているドキュメントがあれば削除されます。この処理は、ポリシーが割り当てられてから新規に作成されたドキュメントだけでなく、すべての既存のドキュメントに適用されます。また、期間は、ポリシーが最初に割り当てられた時からの時間ではなく、各ドキュメントの経過期間であることに注意してください。

そのため、初めてサイトにポリシーを割り当てる前に、まず既存のコンテンツの経過期間と、ポリシーがその既存のコンテンツに及ぼす可能性のある影響を考慮する必要があります。新しいポリシーを割り当てる前に、サイト所有者に伝えて、可能性のある影響を評価する時間を与える必要がある可能性もあります。

ポリシーの反映のラグ タイム (時間差)

サイト コレクションにポリシーを割り当てると、サイト所有者は、[サイトの設定] ページの [ドキュメント削除ポリシー] リンクを使用して、サイトで使用可能なポリシーを表示して、適用します。

ポリシーがサイト コレクションに割り当てられていない限り、[ドキュメント削除ポリシー] リンクは表示されません。また、ポリシーがサイトに割り当てられてもすぐにリンクは表示されません。ポリシーが割り当てられてから、[ドキュメント削除ポリシー] リンクが表示されるまで、最大 24 時間のタイム ラグが発生する場合があります。

ドキュメント削除ポリシーのリンク

ドキュメント削除ポリシーとインプレース ポリシーの連携のしくみ

インプレース ホールドによって、すべてのコンテンツは指定した期間保持されます。一方で、ドキュメント削除ポリシーによって、指定した期間の後にすべてのコンテンツが削除されます。

ドキュメントを一定期間保持する必要がある場合は、削除ポリシーと共に、インプレース ホールド ポリシーを使用できます。たとえば、ドキュメントを変更後 3 年間保持し、さらに最終更新日から 3 年後にそれらのドキュメントを削除する削除ポリシーを設定できます。

削除ポリシーはインプレース ホールドを上書きできないことに注意してください。サイトが保留中で、ドキュメント削除ポリシーによってドキュメントを削除する場合、ドキュメントが手動で削除された場合と同様に、ドキュメントはアイテム保管ライブラリに保持されます。詳細については、「SharePoint Server 2016 のインプレース ホールドの概要」を参照してください。

アクセス許可

コンプライアンス ポリシー センターを使用するコンプライアンス チームのメンバーには、ポリシー センターとポリシーの適用対象となるサイト コレクションの両方へのアクセス許可が必要です。次のようにすることをお勧めします。

  1. コンプライアンス ポリシー センターのすべてのユーザー (コンプライアンス チームに属する可能性が高い) が含まれているセキュリティ グループを作成します。

  2. コンプライアンス ポリシー センターで、サイト コレクションの所有者グループにセキュリティ グループを追加します。

  3. ドキュメント削除ポリシーを割り当てる必要がある各サイト コレクションで、サイト コレクションの所有者グループにセキュリティ グループを追加します。

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