Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する

Microsoft Office Word では、外観がフォームのような文書を作成することはできますが、Word はフォームの設計プログラムではなく、文書処理プログラムとして最もよく動作します。逆に、Microsoft Office InfoPath は、Web 用返信フォームの設計と入力専用に作成されています。既存の Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する場合は、InfoPath のインポート ウィザードを使用します。その後、フォームの設計、公開、および入力に、InfoPath の専用の機能を使用します。たとえば、売上報告書フォーム テンプレートの条件付き書式を使用すると、数字が売上予測を下回った場合、背景が自動的に赤色になるようにできます。同じフォーム テンプレートでルールを使用すると、[送信] ボタンをクリックすると、電子メール メッセージの添付ファイルとしてそのフォーム テンプレートを使用したフォームが送信されるようにできます。また、ブラウザー対応フォーム テンプレートを作成すると、作成したフォーム テンプレートをより多くのユーザーが使用できるようにできます。

Word 文書から変換した InfoPath フォーム テンプレートは、Word 文書のレイアウトと厳密に一致したものとなります。また、特定の条件に一致する Word 文書内の項目は、ユーザーがデータを入力できる適切なコントロールに自動変換されます。たとえば、Word 文書に複数のスペースで囲まれたかっこが含まれている場合、InfoPath はかっこ内の領域をテキストを入力するフィールドであると見なし、結果のフォーム テンプレートでテキスト ボックス コントロールに変換します。Word のフォーム フィールドは、InfoPath によって、すべて対応するコントロールに変換されます。

Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換するする際のオプションを変更するには、[インポート オプション] ダイアログ ボックスから設定します。

ここでは、変換処理でサポートされていない機能や設定など、Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する際の基本概念と手順について説明します。

この記事の内容

Word 文書の InfoPath フォーム テンプレートへの変換について

変換時に完全にサポートされない Word の機能と設定

Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する

レイアウト テーブルを繰り返しテーブルに変更する

チェック ボックスをオプション ボタンのグループに変更する

[デザイン チェック] 作業ウィンドウでの変換の問題の確認

Word 文書の InfoPath フォーム テンプレートへの変換について

Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する際、文書は新しいフォーム テンプレートを作成する青写真のように使用されます。文書の基本構造は、フォーム テンプレートで可能な限り同じように再作成されます。Word 文書の "フォーム フィールド" は、名前や住所などの特定の種類のデータが保存されている場所です。文書の変換時に Word のフォーム フィールドが含まれるよう選択されている場合、InfoPath フォーム テンプレートでは、Word 文書のそのフィールドの場所と対応する場所に、テキスト ボックス、チェック ボックスおよびドロップダウン リスト ボックス コントロールが追加されます。さらに、InfoPath では、繰り返しテーブルとリッチ テキスト ボックスとして動作する可能性のある Word 文書の部分を自動的に検出し、それらを適切なコントロールに変換します。たとえば、経費明細書にユーザーが特定の支出についての注意事項を入力できる空の下線付きの領域がある場合、InfoPath ではその領域をリッチ テキスト ボックスに変換します。ユーザーは、そのリッチ テキスト ボックスに複数行のテキストを入力し、そのテキストを適切な書式に設定することができます。

InfoPath のインポート ウィザードを使用して変換した Word 文書と、結果の InfoPath フォーム テンプレート間の関係を理解するには、従業員から経費明細書データを収集する ExpenseReport.doc という Word 文書が組織で過去数年間、使用されていたと想像すればよいでしょう。IT 部門はその文書を買掛金勘定システムに拡張マークアップ言語 (XML) として送信できるよう、InfoPath フォーム テンプレートに変換したいと考えます。

インポート ウィザードを使用して ExpenseReport.doc をフォーム テンプレートに変換した場合、InfoPath は ExpenseReport.xsn というフォーム テンプレートを作成します。次の例では、Word 文書の経費明細表は、結果の InfoPath フォーム テンプレートで繰り返しテーブルに変換されています。繰り返しテーブルでは、ショートカット メニューのコマンドをクリックすることにより、ユーザーが必要に応じて経費を挿入したり削除することができます。

InfoPath の繰り返しテーブルに変換された Word のテーブル

Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する際、レイアウトとその他の要素は保持されます。InfoPath の繰り返しテーブル内の空白の行数は、既定で Word の表の空の行数と一致します。ただし、既定で 1 行か 2 行のみが表示されるようにして、フォーム テンプレートの領域を節約することもできます。

この新しいフォーム テンプレートには、経費に関する情報を収集するテーブルなど、Word 文書に見られるような要素が含まれています。ただし、インポート ウィザードで選択した設定によっては、結果のフォーム テンプレートで一部の機能が変わってしまう場合があります。

  • インポート ウィザードで、レイアウトのみが保持されるよう Word 文書をインポートした場合    結果のフォーム テンプレートには、経費報告書の行項目を入力できる繰り返しテーブルが含まれます。ただし、元の文書の [名前] テキスト ボックス、[部署] ドロップダウン リスト、[事業部] チェック ボックスなどフォーム フィールドは、結果のフォーム テンプレートでは削除されます。

  • インポート ウィザードで、レイアウトの保持と Word フォーム フィールドのコントロールへの変換の両方を使用して Word 文書をインポートした場合 (既定)    結果のフォーム テンプレートには、経費報告書の行項目を入力できる繰り返しテーブルが含まれます。元の文書の [名前] テキスト ボックス、[部署] ドロップダウン リスト、[事業部] チェック ボックスなどフォーム フィールドは、対応する InfoPath のコントロールに変換されます。

  • インポート ウィザードで、レイアウトの保持とフォーム フィールドのコントロールへの変換の両方を使用して Word 文書をインポートした場合 (カスタム)    経費報告書のインポート時、どのフィールドを変換するか正確に決定できます。たとえば、文書の空のテーブルのセルを、結果のフォーム テンプレートでテキスト ボックスに変換するオプションを無効にできます。

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変換時に完全にサポートされない Word の機能と設定

InfoPath フォーム テンプレートでは、Word 文書の一部の設定や書式設定をサポートしていません。このような設定を含む Word 文書を変換すると、結果のフォーム テンプレートにはこれらの機能や設定は含まれません。たとえば、Word 文書に変更履歴マークがある場合、InfoPath ではこの機能はサポートされていないため、変更履歴マークは結果のフォーム テンプレートで破棄されます。

デザイン モードの [デザイン チェック] 作業ウィンドウを使用すると、変換時の問題を確認できます。その後、これらの問題を修正するアクションを取ることができます。

Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する場合に保持されない機能と設定の一覧を次に示します。書式設定は破棄されるけれども、基になるテキストは保持される場合もあります。たとえば、ニュースレター形式の列がある場合、InfoPath ではそれらの列は破棄しますが、それらの列に含まれるテキストはインポートします。

  • ブックマーク

  • 文字のアニメーション

  • テーマ

  • 透かし

  • 行番号

  • ページ罫線

  • 脚注と文末脚注

  • ニュースレター形式の列のレイアウト

  • 添付ファイル

  • Microsoft Office の Excel ワークシートや Microsoft Office の Visio の図面などのリンクされたオブジェクトまたは埋め込みオブジェクト

  • (オートシェイプ、曲線、線、およびワードアートなどの) 描画オブジェクト

  • (拡大または縮小、拡大または縮小されたスペース、テキストの配置の上げ下げ、フォントのカーニングなどの) 文字間隔

  • ActiveX コントロール

  • (挿入、削除、および書式設定の変更を含む) コメントおよび変更履歴

  • (文書パーツおよびコンテンツ コントロールを含む) Microsoft Office Word 2007 に固有な一部の機能

  • (ヘッダーとフッターへの複数の文字書式、奇数ページと偶数ページでの異なるヘッダーとフッター、1 ページ目の異なるヘッダーとフッター、とじしろ設定、上下の余白の負の値、ページの異なる向き、個々のセクションの設定などの) 一部の印刷の設定

注: 一部の Word 文書はパスワードを使わないと変更できません。このような文書は、InfoPath に正常にインポートできません。この問題を解決するには、インポート前に、文書からパスワード保護を削除してください。また、一部の文書では、フォーム フィールドへのデータ入力などの編集アクションをユーザーに制限している場合があります。このような文書は、InfoPath に正常にインポートできません。この問題を解決するには、インポート前に文書の編集制限を削除してください。

Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する場合に一部分のみサポートされている機能および設定の一覧を次に示します。

縦書きテキスト    InfoPath では、縦書きのテキストが表のセル内にある場合、Word 文書の縦書きの書式設定を保持します。InfoPath では、Word 文書の変換時、Word 文書の別の部分に縦書きテキストが表のセル外にある場合、縦書きテキストの書式設定を破棄します。

テキスト ボックス    Word 文書でテキスト ボックスは、ページに配置するサイズ調整できるテキストのコンテナーです。Word 文書にテキスト ボックスがある場合、結果のフォーム テンプレートでそのテキスト ボックスは表のセルに変換されます。テキスト ボックス内のすべてのテキストは、結果のフォーム テンプレートで表のセルに表示されます。

下線付きテキスト    InfoPath のフォーム テンプレートでは下線がサポートされています。ただし、Word 文書のすべての装飾的な下線や二重の下線は、結果のフォーム テンプレートでは一重下線に変換されます。

サポートされていないプロトコルを参照するハイパーリンク    すべてのハイパーリンクは変換されますが、ハイパーリンクで HTTP、HTTPS、FILE、FTP、または MAILTO 以外のプロトコルを使用している場合、結果のフォーム テンプレートでユーザーがリンクをクリックしても、ハイパーリンクは動作しません。

文字スタイルおよびテキスト効果    変換処理時に上付き文字、下付き文字、および一重の取り消し線の書式スタイルは保持されます。中抜きのテキスト、非表示のテキストおよび影付きの書式設定など、その他の書式設定のスタイルおよび効果は、変換処理時に破棄されます。浮き出しまたは浮き彫りのテキストは、結果のフォーム テンプレートで灰色のテキストに変換されます。

セクション設定    Word でセクションは、文書のレイアウトをページ内またはページ間で変えるために使用されます。InfoPath ではこれらの種類のセクションはサポートしておらず、変換処理時に破棄されます。Word 文書の最初のセクションに適用されている設定がある場合、それは結果の InfoPath フォーム テンプレートに適用されます。

ヘッダーとフッターの書式設定    Word 文書のヘッダーとフッター テキストは、結果の InfoPath フォーム テンプレートでヘッダーとフッター テキストに変換されます。一部の文字書式は変換処理時に破棄されます。たとえば、Word 文書のヘッダーに太字や斜体の両方の書式設定が使用されていると、InfoPath は結果のフォーム テンプレートに最初に使用された書式スタイルを使用し、残りの書式は破棄します。同様に、Word 文書の最初のヘッダーまたはフッター セクションに適用されているすべての設定は、結果の InfoPath フォーム テンプレートのヘッダーまたはフッター テキストに適用されます。

フォント変換    新しいフォーム テンプレートの作成時、InfoPath ではフォントを Word 文書からインポートしますが、インポートを実行するコンピューターに文書のフォントがない場合、フォーム テンプレートには別のフォントが自動的に選択されます。

負のページ余白    上下の余白が負の数である場合、0 としてインポートされます。

負の余白、スペース、およびインデント設定    負の余白、スペース、およびインデント設定は、0 としてインポートされます。

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Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換する

  1. インポートする Word 文書が開いている場合、それを閉じます。

  2. デザイン モードの [ファイル] メニューの [フォームのインポート] をクリックします。

  3. インポート ウィザードで、[Word 文書用 InfoPath インポーター]、[次へ] を順にクリックします。

  4. [参照] をクリックします。

  5. 変換する Word 文書を探してクリックし、[開く] をクリックします。

    注: アクセス制限がある Word 文書をインポートする場合は、その文書のフル コントロールのアクセス許可がある必要があります。その文書に対し、読み取りまたは変更のアクセス許可しかない場合、インポート時にエラー メッセージが表示されます。

  6. 既定のインポート動作を変更するには、[オプション] をクリックて、必要なオプションを選択します。

  7. [完了] をクリックします。

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レイアウト テーブルを繰り返しテーブルに変更する

Word 文書にテーブルが含まれている場合、InfoPath ではそれを結果のフォーム テンプレートでレイアウト テーブルまたは繰り返しテーブルに変換します。選択されるテーブルの種類は、Word 文書で行った設計上の決定によります。次の手順を使用すると、変換済みのレイアウト テーブルを繰り返しテーブルに迅速に変更できます。

繰り返しテーブルを使用すると、ユーザーのフォームへの入力で自由度が増します。繰り返しテーブルを使用すると、ユーザーがフォーム テンプレートを最初に開いたときに、多数の空白行は表示されません。代わりに、ユーザーには通常は 1 つの行が表示され、必要に応じてのみ追加されます。これはフォームのスペースの節約になり、またユーザーが個人用設定をする余地を拡大します。

  1. フォーム テンプレートで、変換するレイアウト テーブルの内側の任意の場所を右クリックします。

  2. ショートカット メニューの [変更] をポイントし、[繰り返しテーブル] をクリックします。

  3. [繰り返しテーブルへの変更] ダイアログ ボックスで、次の 1 つ以上の操作を行います。

    • 繰り返しテーブルの見出し行を指定する場合、[テーブルのヘッダーとして確保する行の数] ボックスに値を入力します。通常、列見出しにはヘッダー行を使用します。

    • 繰り返しテーブルでフッター行を指定する場合、[テーブルのフッターとして確保する行の数] ボックスに値を入力します。多くのテーブルには、フッター行はありません。

    • 使用するデータ行の数を指定する場合、[フォームの入力中に含める繰り返し行の数] ボックスに値を入力します。データ行とは、必要に応じてフォームで "繰り返す" ことができる行です。

  4. [挿入] メニューの [コントロールの選択] をクリックするか、または Alt キーを押しながら I キーを押してから、C キーを押します。

  5. テーブルのセルに必要なコントロールを挿入します。

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チェック ボックスをオプション ボタンのグループに変更する

Word 文書で複数のチェック ボックスを使用している場合、InfoPath ではそれらを結果の InfoPath フォーム テンプレートにチェック ボックスとしてインポートできます。代わりにオプション ボタンのグループを使用する場合は、次の手順に従ってフォーム テンプレートでオプション ボタンをチェック ボックスに変換してください。

Microsoft Office InfoPath フォーム テンプレートで、限られているオプションのセットから 1 つのみを選択してもらう場合、オプション ボタンのグループを使用できます。

  1. フォーム テンプレートで、変換するいずれかのチェック ボックスをクリックし、CTRL キーを押しながら変換する他のチェック ボックスをそれぞれクリックします。

  2. [編集] メニューの [変更] をポイントし、[オプション ボタン] をクリックします。

    これでフォーム テンプレートに、チェック ボックスの代わりにオプション ボタンのグループが表示されます。各オプション ボタンは、データ ソースの同じフィールドにバインドされます。ユーザーがオプション ボタンをクリックすると、そのオプション ボタンに関連付けられている値がフィールドに格納されます。

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[デザイン チェック] 作業ウィンドウでの変換の問題の確認

元の Word 文書の要素が結果の InfoPath フォーム テンプレートに期待どおりに表示されなかったり、変換処理時に削除される場合があります。たとえば、InfoPath では Word のワードアート機能をサポートしていないため、ワードアート オブジェクトは結果のフォーム テンプレートでプレース ホルダー画像に置き換えられます。

InfoPath が変換処理で問題を検出した場合、インポート ウィザードを閉じると [デザイン チェック] 作業ウィンドウが自動的に開きます。作業ウィンドウには問題の一覧が表示されるので、必要な手順を実行してそれらを修正することができます。

  1. [デザイン チェック] 作業ウィンドウが表示されない場合、[ツール] メニューの [デザイン チェック] をクリックします。

    フォーム テンプレートに問題がある場合は、作業ウィンドウにメッセージが表示されます。

  2. [デザイン チェック] 作業ウィンドウで、確認するメッセージのテキストをクリックします。

    ダイアログ ボックスに、この問題に関する追加情報が表示されます。

    注: Word 文書に InfoPath でサポートしていない Word の描画オブジェクトなどのオブジェクトが含まれる場合、InfoPath により結果のフォーム テンプレートに Word 文書内のどこにそのオブジェクトが最初あったかを示すプレースホルダー画像が追加されます。オブジェクトの詳細については、フォーム テンプレートのプレースホルダー画像を右クリックし、をクリックし、ショートカット メニューの [詳細] をクリックします。

  3. 必要に応じて、フォーム テンプレートで問題を修正します。たとえば、完成したフォーム テンプレートで使用しない任意のプレースホルダー画像は削除することもできます。

注: [デザイン チェック] 作業ウィンドウには [更新] ボタンがあります。[更新] ボタンをクリックしても、Word 文書を InfoPath にインポートした結果表示されるメッセージは更新されません。[デザイン チェック] 作業ウィンドウからインポート メッセージを削除する場合、[リソース ファイル] ダイアログ ボックス ([ツール] メニュー) を開き、ImportErrors.xml という名前のファイルを削除します。このファイルは、Word 文書を InfoPath にインポートすると、自動的に作成されます。ImportErrors.xml ファイルの削除後、[デザイン チェック] 作業ウィンドウの [更新] をクリックすると、インポート メッセージは完全に削除されます。ImportErrors.xml ファイルは、フォーム テンプレートの正常な機能には必要ありません。実際、セキュリティ上の理由からフォーム テンプレートを発行する前に、このファイルを削除することをお勧めします。

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