Office 365 の非アクティブなメールボックスの概要

組織では、退職後も元従業員の電子メールを保持しなければならないことがあります。組織が定める保存要件に応じて、メールボックスの内容を、雇用が終了してから数か月、数年、または無期限に保持しなければならないことがあります。電子メールを保持しなければならない期間には関係なく、Office 365 で非アクティブなメールボックスを作成して、元従業員のメールボックスを保持できます。

目次

非アクティブなメールボックスとは

非アクティブなメールボックスと Office 365 アイテム保持ポリシー

非アクティブなメールボックスと電子情報開示のケース保持

非アクティブなメールボックスと Office 365 のラベル

非アクティブなメールボックスと Exchange MRM アイテム保持ポリシー

非アクティブなメールボックスの作成

非アクティブなメールボックスの管理

非アクティブなメールボックスとは

従業員が退職するとき (または長期間、離職するとき)、その Office 365 アカウントを削除できます。従業員のメールボックスのデータは、アカウントが削除された後、30 日間保持されます。この期間中は、アカウントを復元することによって、メールボックスのデータを回復できます。30 日後に、データが完全に削除されます。

しかし、元従業員のメールボックスの内容を保持する必要がある場合は、メールボックスを訴訟ホールドの対象にするか、Office 365 アイテム保持ポリシーを Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センター 内のメールボックスに適用してから、対応する Office 365 アカウントを削除することにより、そのメールボックスを非アクティブなメールボックスに変換できます。メールボックスに設定される訴訟ホールドの期間、または、メールボックスが削除される前に適用される Office 365 アイテム保持ポリシーの保持期間にわたって、非アクティブなメールボックスの内容は保持されます。その場合でも、30 日間は対応するユーザー アカウントを回復できます。なお、30 日が経過すると、ホールドまたはアイテム保持ポリシーが解除されるまで、非アクティブなメールボックスは Office 365 に保持されます。

重要: メールボックスを非アクティブにする新しいインプレース ホールドの作成の期限を、2017 年 7 月 1 日に延期しました。ただし、今年の後半または来年の初めに、Exchange Online で新しいインプレース ホールドを作成することができなくなります。その時点で、非アクティブなメールボックスを作成する場合は、訴訟ホールドおよび Office 365 の保持ポリシーしか使えません。ただし、インプレース ホールドに既に存在する非アクティブなメールボックスは引き続きサポートされ、非アクティブなメールボックスのインプレース ホールドの管理を続行できます。これには、インプレース ホールドの期間の変更と、インプレース ホールドの削除による非アクティブなメールボックスの永続的な削除が含まれます。

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非アクティブなメールボックスと Office 365 アイテム保持ポリシー

訴訟ホールドに加えて、セキュリティ/コンプライアンス センター の新しい Office 365 アイテム保持ポリシー機能を使用することは、メールボックスを非アクティブにするもう 1 つの方法です。メールボックスを非アクティブにするには、次のようにしてアイテム保持ポリシーを使用します。

  • (Skype 関連のコンテンツがユーザーのメールボックスに保管されるため) アイテム保持ポリシーを Exchange メールボックスまたは Skype for Business の場所に適用する必要があります。

  • コンテンツを保持するか、コンテンツを保持した後に削除するように、構成する必要があります。単にコンテンツを削除するようにアイテム保持ポリシーが構成されている場合、ポリシーが適用されるメールボックスは、メールボックスの削除の際に非アクティブになりません。

  • 検索クエリに合致するアイテムだけを保持するように、クエリ ベースにすることができます。

Office 365 アイテム保持ポリシーの構成の詳細については、「Office 365 のアイテム保持ポリシーの概要」を参照してください。

Office 365 アイテム保持ポリシーを使用してメールボックスを非アクティブにする場合、Office 365 は非アクティブなメールボックスでアイテム保持ポリシーの処理を続行します。つまり、コンテンツを保持した後に削除するようにアイテム保持ポリシーが構成されている場合には、保持期間が期限切れになるとアイテムは [回復可能なアイテム] フォルダーに移され、最終的に非アクティブなメールボックスから消去されます。Office 365 アイテム保持ポリシーがアイテムを削除するように構成されていない場合には、(メールボックスが非アクティブになる前に) ユーザーによって完全に削除されていないアイテムは [回復可能なアイテム] フォルダーに移されず、メールボックスが非アクティブになった後、無期限に保持されます。

特に、非アクティブなメールボックスのために Office 365 アイテム保持ポリシーを作成することを考慮できます。そうすべきいくつかの理由と留意点を次に示します。

  • 元従業員に関する組織の要件を満たすため、必要な長さの期間だけメールボックスの内容を保持するように、アイテム保持ポリシーを構成できます。

  • アイテム保持ポリシーは非アクティブなメールボックスにのみ適用されるので、非アクティブのメールボックスを識別する簡単な方法となります。

  • 組織内の非アクティブなメールボックスに割り当てられているアイテム保持ポリシーを簡単に識別することができます。これにより、必要な場合に保持 (または削除) の設定を変更するのが容易になります。また、非アクティブなメールボックスを完全に削除するのも容易になります。セキュリティ/コンプライアンス センター を使用して、ポリシーから非アクティブなメールボックスを除去できるからです。別の方法をとるなら、Exchange Online PowerShell を使用して非アクティブなメールボックスから訴訟ホールドを削除するか、セキュリティ/コンプライアンス センター PowerShell を使用して、非アクティブなメールボックスを組織全体の Office 365 アイテム保持ポリシーから除外します。

  • Office 365 アイテム保持ポリシーを専ら非アクティブなメールボックスのために作成する場合、最大 1,000 個のメールボックスをポリシーに追加できます。非常に大規模な組織の場合には、非アクティブなメールボックスのために使用する Office 365 アイテム保持ポリシーを複数作成する必要があるかもしれません。

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非アクティブなメールボックスと電子情報開示のケース保持

セキュリティ/コンプライアンス センター 内の電子情報開示ケースに関連付けられているホールドがメールボックスに設定された後、メールボックスまたはユーザーの Office 365 アカウントが削除された場合、メールボックスは非アクティブなメールボックスになります。ただし、電子情報開示ケース保持を使用してメールボックスを非アクティブにすることは推奨されません。その理由は、電子情報開示ケースが、法的な問題に関連する、特定の期限付きのケースを意図したものだからです。何らかの時点で、法的ケースはおそらく終了し、ケースに関連付けられているホールドは除去され、電子情報開示ケースは閉じられます。実際には、非アクティブなメールボックスに設定されているホールドが電子情報開示ケースに関連付けられ、その後ホールドが解除されるか電子情報開示ケースが閉じられた (または削除された) 場合には、非アクティブなメールボックスが完全に削除されます。さらに、時間ベースの電子情報開示ホールドを作成することはできません。それは、非アクティブなメールボックスの内容が永久に保持されるか、またはホールドが解除されるまで保持されて、非アクティブなメールボックスが削除されることを意味しています。そのため、非アクティブなメールボックスのために、訴訟ホールドまたは Office 365 アイテム保持ポリシーを使用することが推奨されています。

電子情報開示ケースとホールドの詳細については、Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センターで電子情報開示ケースを管理するを参照してください。

非アクティブなメールボックスと Office 365 のラベル

Office 365 のラベルは、ガバナンスのために組織内の電子メール データを分類し、その分類に基づいて保持ルールを実施するのに役立ちます。ユーザーが手動で、または管理者が自動的に、電子メール アイテムにラベルを適用することができ、電子メール アイテムはそれに割り当てられている 1 つのラベルだけを保持できます。ユーザーのメールボックス内の 1 つの電子メール アイテムにラベルが割り当てられている場合に、メールボックスまたはユーザーの Office 365 アカウントが削除されると、メールボックスは非アクティブなメールボックスになります。電子情報開示ケース保持の場合と同様に、ラベルを使用してメールボックスを非アクティブにすることは推奨されません。代わりに、訴訟ホールド、または Office 365 アイテム保持ポリシーを使用することが推奨されています。ラベルのケースでは、ラベルが電子メール アイテムに適用されていることに気づかずに、ユーザーのアカウントを削除すると、誤ってメールボックスを非アクティブにしてしまう可能性があるので注意してください。

ラベルの詳細については、「Overview of labels in Office 365」 (Office 365 のラベルの概要) を参照してください。

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非アクティブなメールボックスと Exchange MRM アイテム保持ポリシー

メールボックスが非アクティブになったときにメールボックスに Exchange アイテム保持ポリシー (Exchange Online の機能であるメッセージング レコード管理 (MRM)) が適用されていると、非アクティブなメールボックスに対してすべての削除ポリシー (Delete 保持アクションが設定された保持タグ) の処理が継続されます。つまり、保持期間を過ぎると、削除ポリシーのタグが付けられたアイテムは [回復可能なアイテム] フォルダーに移動されます。それらのアイテムは保持期間を過ぎると非アクティブなメールボックスから消去されます。非アクティブなメールボックスの保持期間が指定されていない場合、[回復可能なアイテム] フォルダー内のアイテムは無期限に保持されます。

逆に、非アクティブなメールボックスに割り当てられた保持ポリシーにアーカイブ ポリシー (MoveToArchive 保持アクションが設定された保持タグ) が含まれている場合、それらはすべて無視されます。つまり、非アクティブなメールボックス内のアーカイブ ポリシーのタグが付けられたアイテムは、保持期間を過ぎてもプライマリ メールボックスに残ります。それらのアイテムは、アーカイブ メールボックスやアーカイブ メールボックス内の [回復可能なアイテム] フォルダーに移動されません。無期限に保持されます。

非アクティブなメールボックスの作成

メールボックスを非アクティブにするには、メールボックスに Exchange Online (プラン 2) ライセンスを割り当て、メールボックスに訴訟ホールドまたは Office 365 アイテム保持ポリシーを設定してからメールボックスを削除できるようにする必要があります。メールボックスを削除した後は、それに関連付けられていた Exchange Online ライセンスを新しいユーザーに割り当てることが可能になります。非アクティブなメールボックスは、継続的なライセンスを必要としません。

次の表は、各種の保持シナリオについて、非アクティブなメールボックスを作成するプロセスを要約しています。詳細については、「Manage inactive mailboxes in Office 365」 (Office 365 で非アクティブなメールボックスを管理する) を参照してください。

目的

操作

結果

従業員の退職後にメールボックスの内容を無期限に保持する

  • メールボックスを訴訟ホールドの対象にするか、Office 365 アイテム保持ポリシーをメールボックスに適用します。

  • 訴訟ホールドには保持期間を指定しません。また、アイテムを削除するために Office 365 アイテム保持ポリシーを構成することはありません。代わりに、アイテムを永久に保持するアイテム保持ポリシーを使用することができます。

  • ユーザーの Office 365 アカウントを削除する。

[回復可能なアイテム] フォルダー内のアイテムを含む、非アクティブなメールボックス内のすべてのコンテンツは無期限に保持されます。

従業員が退職した後の特定の期間、メールボックスの内容を保持し、その後それを削除する

  • メールボックスを訴訟ホールドの対象にするか、Office 365 アイテム保持ポリシーをメールボックスに適用します。

  • 訴訟ホールドのための保持期間を指定します。アイテムを保持した後に削除する保持ポリシーを適用します。

  • ユーザーの Office 365 アカウントを削除する。

メールボックス アイテムの保持期間が経過すると、アイテムは [回復可能なアイテム] フォルダーに移され、その後、削除済みアイテムの保持期間が経過すると、それは非アクティブなメールボックスから完全に削除 (パージ) されます。保持期間は、メールボックス アイテムを受信または作成した最初の日付から計算されます。非アクティブなメールボックス内の他のすべてのコンテンツは保持されます。

注: メールボックスが既に訴訟ホールドの対象になっている場合や、Office 365 アイテム保持ポリシーがメールボックスに既に適用されている場合に行う必要があるのは、対応する Office 365 ユーザー アカウントを削除して非アクティブなメールボックスを作成することだけです。

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非アクティブなメールボックスを管理する

メールボックスを非アクティブにした後、非アクティブなメールボックスにさまざまな管理タスクを行うことができます。

  • 非アクティブなメールボックスの保持期間を変更する      メールボックスが非アクティブになった後、非アクティブなメールボックスに適用される訴訟ホールドまたは Office 365 アイテム保持ポリシーの保持期間を変更することができます。詳しい手順については、「Change the hold duration for an inactive mailbox in Office 365」 (Office 365 で非アクティブなメールボックスの保持期間を変更する) を参照してください。

  • 非アクティブなメールボックスを回復する      元従業員 (または長期間離職中の従業員) が組織に復帰する場合、または新しい従業員が元従業員の職責を引き継ぐ場合には、非アクティブなメールボックスのコンテンツを回復できます。非アクティブなメールボックスを回復すると、そのメールボックスは新しいメールボックスに変換され、非アクティブなメールボックスのコンテンツとフォルダー構造が保持されて、メールボックスが新しいユーザー アカウントにリンクされます。回復された後、非アクティブなメールボックスは存在しなくなります。ステップごとの手順、および非アクティブなメールボックスを回復するときに生じる事柄については、「Recover an inactive mailbox in Office 365」 (Office 365 で非アクティブなメールボックスを回復する) を参照してください。

  • 非アクティブなメールボックスを復元する      別の従業員が元従業員の職責を引き継ぐ場合、または別のユーザーが非アクティブなメールボックスのコンテンツにアクセスする必要がある場合は、非アクティブなメールボックスのコンテンツを既存のメールボックスに復元 (またはマージ) できます。非アクティブなメールボックスを復元すると、そのコンテンツは別のメールボックスにコピーされます。非アクティブなメールボックスは保持されて、非アクティブなメールボックスとして残ります。非アクティブなメールボックスは、電子情報開示ツールを使用して検索すること、そのコンテンツを別のメールボックスに復元すること、それを後に回復したり削除したりすることが引き続き可能です。詳しい手順については、「Restore an inactive mailbox in Office 365」 (Office 365 で非アクティブなメールボックスを回復する) を参照してください。

  • 非アクティブなメールボックスを削除する      非アクティブなメールボックスの内容を保持する必要がなくなった場合、すべてのホールドを解除するか、非アクティブなメールボックスに適用されているすべての Office 365 アイテム保持ポリシーを除去することにより、完全に削除できます。メールボックスが 30 日以上前に非アクティブにされた場合、ホールドを解除した後、完全に削除するようメールボックスにマークが付けられます。メールボックスが過去 30 日以内に非アクティブにされた場合には、ホールドを解除するかアイテム保持ポリシーを除去した後もメールボックスを再びアクティブにすることができます。詳しい手順については、「Delete an inactive mailbox in Office 365」 (Office 365 で非アクティブなメールボックスを削除する) を参照してください。

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