Office 365 で非アクティブなメールボックスの保持期間を変更する

非アクティブなメールボックスは、退職して組織を離れた元従業員の電子メールを保持するために使用します。訴訟ホールド、インプレース ホールド、Office 365 保持ポリシー、または電子情報開示ケースに関連付けられているホールドがメールボックスに設定され、それに対応する Office 365 ユーザー アカウントが削除されると、そのメールボックスは非アクティブになります。非アクティブなメールボックスのコンテンツは、非アクティブになる前にメールボックスに設定された保持期間の間保持されます。保持期間は、[回復可能なアイテム] フォルダー内のアイテムを保持する期間を定義します。[回復可能なアイテム] フォルダー内のアイテムの保持期間が過ぎると、アイテムは非アクティブなメールボックスから完全に削除 (消去) されます。メールボックスが非アクティブになった後でも、保持期間や非アクティブなメールボックスに割り当てられている Office 365 保持ポリシーを変更できます。

重要: メールボックスを非アクティブにする新しいインプレース ホールドの作成の期限を、2017 年 7 月 1 日に延期しました。ただし、今年の後半または来年の初めに、Exchange Online で新しいインプレース ホールドを作成することができなくなります。その時点で、非アクティブなメールボックスを作成する場合は、訴訟ホールドおよび Office 365 の保持ポリシーしか使えません。ただし、インプレース ホールドに既に存在する非アクティブなメールボックスは引き続きサポートされ、非アクティブなメールボックスのインプレース ホールドの管理を続行できます。これには、インプレース ホールドの期間の変更と、インプレース ホールドの削除による非アクティブなメールボックスの永続的な削除が含まれます。

はじめに

  • 非アクティブなメールボックスに設定された訴訟ホールドの保持期間を変更するには、Exchange Online PowerShell を使用する必要があります。Exchange 管理センター (EAC) を使用することはできません。ただし、Exchange Online PowerShell または EAC を使用して、インプレース ホールドの保持期間を変更することはできます。Office 365 保持ポリシーの保持期間を変更する場合は、Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センター または セキュリティ/コンプライアンス センター PowerShell を使用できます。

  • Exchange Online PowerShell または セキュリティ/コンプライアンス センター PowerShell に接続する場合は、次のトピックのいずれかを参照してください。

  • 電子情報開示ケースに関連付けられているホールドは無限のホールドであり、保持期間を変更できないことに注意してください。アイテムは永続的に、またはホールドが削除され、非アクティブなメールボックスが削除されるまで保持されます。

  • 非アクティブなメールボックスの詳細については、「Inactive mailboxes in Office 365」 (Office 365 の非アクティブなメールボックス) を参照してください。

手順 1: 非アクティブなメールボックスに設定されているホールドを特定する

非アクティブなメールボックスには、さまざまな種類のホールドまたは 1 つ以上の Office 365 保持ポリシーが設定されていることがあるため、最初の手順では、非アクティブなメールボックスのホールドを特定します。

Exchange Online PowerShell で次のコマンドを実行して、組織内のすべての非アクティブなメールボックスのホールド情報を表示します。

Get-Mailbox -InactiveMailboxOnly | FL DisplayName,Name,IsInactiveMailbox,LitigationHoldEnabled,LitigationHoldDuration,InPlaceHolds

LitigationHoldEnabled プロパティの値が True である場合、非アクティブなメールボックスは訴訟ホールド中ということになります。非アクティブなメールボックスにインプレース ホールド、電子情報開示ケース、または Office 365 保持ポリシーが設定されている場合は、ホールドまたは保持ポリシーの GUID が InPlaceHolds プロパティの値として表示されます。たとえば、次の 4 つの非アクティブなメールボックスに対する結果は次のようになります。

DisplayName           : Ann Beebe
Name                  : annb
IsInactiveMailbox     : True
LitigationHoldEnabled : True
LitigationHoldDuration: 365.00:00:00
InPlaceHolds          : {}
...
DisplayName           : Pilar Pinilla
Name                  : pilarp
IsInactiveMailbox     : True
LitigationHoldEnabled : False
LitigationHoldDuration: Unlimited
InPlaceHolds          : {c0ba3ce811b6432a8751430937152491}
...
DisplayName           : Mario Necaise
Name                  : marion
IsInactiveMailbox     : True
LitigationHoldEnabled : False
LitigationHoldDuration: Unlimited
InPlaceHolds          : {}
...
DisplayName           : Carol Olson
Name                  : carolo
IsInactiveMailbox     : True
LitigationHoldEnabled : False
LitigationHoldDuration: Unlimited
InPlaceHolds          : {mbxcdbbb86ce60342489bff371876e7f224}
...
DisplayName           : Abraham McMahon
Name                  : abrahamm
IsInactiveMailbox     : True
LitigationHoldEnabled : False
LitigationHoldDuration: Unlimited
InPlaceHolds          : {UniH7d895d48-7e23-4a8d-8346-533c3beac15d}

次の表で、各メールボックスを非アクティブにするために使用された 5 つの異なるホールドの種類を特定します。

非アクティブなメールボックス

ホールドの種類

非アクティブなメールボックスのホールドの特定方法

Ann Beebe

訴訟ホールド

LitigationHoldEnabled プロパティが True に設定されています。

Pilar Pinilla

インプレース ホールド

InPlaceHolds プロパティに、非アクティブなメールボックスに設定されているインプレース ホールドの GUID が含まれています。ID がプレフィックスで始まっていないため、これはインプレース ホールドであることがわかります。

Exchange Online PowerShell で Get-MailboxSearch -InPlaceHoldIdentity <hold GUID> | FL コマンドを使用して、非アクティブなメールボックスのインプレース ホールドに関する情報を取得できます。

Mario Necaise

セキュリティ/コンプライアンス センターの組織全体の Office 365 保持ポリシー

InPlaceHolds プロパティが空になっています。これは、1 つ以上の組織全体 (または Exchange 全体) の Office 365 保持ポリシーが非アクティブなメールボックスに適用されていることを示します。

この場合は、Exchange Online PowerShell で Get-OrganizationConfig | Select-Object -ExpandProperty InPlaceHolds コマンドを実行して、組織全体の Office 365 保持ポリシーの GUID リストを取得できます。Exchange メールボックスに適用されている組織全体の保持ポリシーの GUID は、mbxa3056bb15562480fadb46ce523ff7b02 のように、mbx プレフィックスで始まります。

非アクティブなメールボックスに適用されている Office 365 保持ポリシーを識別するには、セキュリティ/コンプライアンス センター PowerShell で次のコマンドを実行します。

Get-RetentionCompliancePolicy <retention policy GUID without prefix> | FL Name

Carol Olson

特定のメールボックスに適用されているOffice 365の セキュリティ/コンプライアンス センター 保持ポリシー

InPlaceHolds プロパティに、非アクティブなメールボックスに適用されている Office 365 保持ポリシーの GUID が含まれています。GUID が mbx プレフィックスで始まっているため、これは特定のメールボックスに適用された保持ポリシーであることがわかります。非アクティブなメールボックスに適用されている保持ポリシーの GUID が skp プレフィックスで始まる場合、保持ポリシーが Skype for Business 会話に適用されていることを示していることに注意してください。

非アクティブなメールボックスに適用されている Office 365 保持ポリシーを識別するには、セキュリティ/コンプライアンス センター PowerShell で次のコマンドを実行します。

Get-RetentionCompliancePolicy <retention policy GUID without prefix> | FL Name

このコマンドを実行する場合は、必ず、mbx または skp プレフィックスを削除してください。

Abraham McMahon

セキュリティ/コンプライアンス センターの電子情報開示ケース ホールド

InPlaceHolds プロパティに、非アクティブなメールボックスに設定されている電子情報開示ケース ホールドの GUID が含まれています。GUID が UniH プレフィックスで始まっているため、これは電子情報開示ケース ホールドであることがわかります。

セキュリティ/コンプライアンス センター PowerShell で Get-CaseHoldPolicy コマンドレットを使用して、非アクティブなメールボックスのホールドが関連付けられている電子情報開示ケースに関する情報を取得できます。たとえば、Get-CaseHoldPolicy <hold GUID without prefix> | FL Name コマンドを実行して、非アクティブなメールボックスに設定されているケース ホールドの名前を表示することができます。このコマンドを実行する場合は、必ず、UniH プレフィックスを削除してください。

非アクティブなメールボックスのホールドが関連付けられている電子情報開示ケースを特定するには、次のコマンドを実行します。

$CaseHold = Get-CaseHoldPolicy <hold GUID without prefix>
Get-ComplianceCase $CaseHold.CaseId | FL Name

注: 非アクティブなメールボックスに対して電子情報開示ホールドを使用することはお勧めできません。電子情報開示ケースは、法的な問題に関する特定の期限付きケースが対象となるためです。ある時点で、訴訟ケースはおそらく終了します。したがって、このケースに関連付けられているホールドは削除され、電子情報開示ケースは終了 (削除) されることになります。実際に、非アクティブなメールボックスに設定されているホールドが電子情報開示ケースに関連付けられており、ホールドが解除されるか、電子情報開示ケースが終了または削除される場合、非アクティブなメールボックスは完全に削除されます。

Office 365 保持ポリシーの詳細については、「アイテム保持ポリシーの概要」を参照してください。

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手順 2: 非アクティブなメールボックスの保持期間を変更する

非アクティブなメールボックスに設定されているホールドの種類 (および複数のホールドがあるかどうか) を特定したら、次は、保持期間を変更します。

訴訟ホールドの期間を変更する

Exchange Online PowerShell を使用して、非アクティブなメールボックスに設定されている訴訟ホールドの保持期間を変更する方法を次に示します。EAC を使用することはできません。保持期間を変更するには、次のコマンドを実行します。この例では、保持期間を無期限に変更しています。

Set-Mailbox -InactiveMailbox -Identity <identity of inactive mailbox> -LitigationHoldDuration unlimited

結果として、非アクティブなメールボックス内のアイテムは、無期限に、または、ホールドが削除されるか保持期間が別の値に変更されるまで保持されます。

ヒント: 非アクティブなメールボックスを特定する最もよい方法は、Distinguished Nameまたは Exchange GUID の値を使用することです。これらの値のいずれかを使用すると、正しくないメールボックスを誤って指定することを避けられます。

インプレース ホールドの期間を変更する

インプレース ホールドの保持期間の変更は、EAC か Exchange Online を使用して行うことができます。

EAC を使用して保持期間を変更する

  1. 変更するインプレース ホールドの名前が分かっている場合は、次の手順に進みます。そうでない場合は、次のコマンドを実行して、非アクティブなメールボックスに設定されたインプレース ホールドの名前を取得します。Step 1 で取得したインプレース ホールドの GUID を使用します。

    Get-MailboxSearch -InPlaceHoldIdentity <In-Place Hold GUID> | FL Name
  2. EAC で、[コンプライアンス管理]、[インプレースの電子情報開示と保持] の順に移動します。

  3. 変更するインプレース ホールドを選択し、[編集] [編集] アイコン をクリックします。

  4. [インプレースの電子情報開示と保持] プロパティ ページで、[インプレース ホールド] をクリックします。

  5. 現在の保持期間に基づいて、次のいずれかの操作を実行します。

    1. 無制限にアイテムを保持する場合は、[無期限に保持]をクリックします。

    2. 特定の期間だけアイテムを保持する場合は、[受信日を基準としてアイテムを保持する日数を指定する]をクリックします。アイテムを保持する日数を入力します。

    インプレース ホールドの期間の変更に関するスクリーン ショット
  6. [保存] をクリックします。

Exchange Online PowerShell を使用して保持期間を変更する

  1. 変更するインプレース ホールドの名前が分かっている場合は、次の手順に進みます。そうでない場合は、次のコマンドを実行して、非アクティブなメールボックスに設定されたインプレース ホールドの名前を取得します。Step 1 で取得したインプレース ホールドの GUID を使用します。

    Get-MailboxSearch -InPlaceHoldIdentity <In-Place Hold GUID> | FL Name
  2. 保持期間を変更するには、次のコマンドを実行します。この例では、ホールド期間を 2,555 日 (約 7 年間) に変更します。

    Set-MailboxSearch <identity of In-Place Hold> –ItemHoldPeriod 2555

    保持期間を無制限の期間に変更するには、-ItemHoldPeriod unlimited を使用します。

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詳細情報

  • 非アクティブなメールボックス内のアイテムの保持期間はどのように計算されますか。   保持期間は、メールボックス アイテムを受信または作成した最初の日付から計算されます。

  • 保持期間を過ぎるとどうなりますか。   [回復可能なアイテム] フォルダー内のアイテムの保持期間を過ぎると、アイテムは非アクティブなメールボックスから完全に削除 (消去) されます。非アクティブなメールボックスに設定されたホールドの保持期間が指定されていない場合、(非アクティブなメールボックスの保持期間が変更されない限り) [回復可能なアイテム] フォルダー内のアイテムは削除されません。

  • Exchange 保持ポリシーの処理は、非アクティブなメールボックスに対しても継続されますか。    メールボックスが非アクティブになったときにメールボックスに Exchange 保持ポリシー (Exchange Online の機能であるメッセージング レコード管理 (MRM)) が適用されていた場合は、その非アクティブなメールボックスに対して削除ポリシー (Delete 保持アクションが設定された保持タグ) の処理が継続されます。つまり、保持期間を過ぎると、削除ポリシーのタグが付けられたアイテムは [回復可能なアイテム] フォルダーに移動されます。その後、保持期間を過ぎると、それらのアイテムは非アクティブなメールボックスから消去されます。

    逆に、非アクティブなメールボックスに割り当てられた保持ポリシーにアーカイブ ポリシー (MoveToArchive 保持アクションが設定された保持タグ) が含まれている場合、それらはすべて無視されます。つまり、非アクティブなメールボックス内のアーカイブ ポリシーのタグが付けられたアイテムは、保持期間を過ぎてもプライマリ メールボックスに残ります。それらのアイテムは、アーカイブ メールボックスやアーカイブ メールボックス内の [回復可能なアイテム] フォルダーに移動されません。ユーザーは非アクティブなメールボックスにサインインできないので、アーカイブ ポリシーを処理するためにデータセンターのリソースを消費する理由はありません。

  • 新しい保持期間を確認するには、次のコマンドのいずれかを実行します。   最初のコマンドは訴訟ホールド用で、2 番目はインプレース ホールド用です。

    Get-Mailbox -InactiveMailboxOnly -Identity <identity of inactive mailbox> | FL LitigationHoldDuration
    Get-MailboxSearch <identity of In-Place Hold> | FL ItemHoldPeriod
  • 通常のメールボックスのように、管理フォルダー アシスタント (MFA) は非アクティブなメールボックスも処理します。   Exchange Online の場合、MFA は約 7 日に一度メールボックスを処理します。非アクティブなメールボックスの保持期間を変更したなら、Start-ManagedFolderAssistant コマンドレットを使用して、非アクティブなメールボックスの新しい保持期間の処理を直ちに開始します。次のコマンドを実行します。

    Start-ManagedFolderAssistant -InactiveMailbox <identity of inactive mailbox>
  • 非アクティブなメールボックスに対して多数のホールドが設定されている場合、一部のホールドの GUID は表示されません。   非アクティブなメールボックスに設定されているすべてのホールド (訴訟ホールドを除く) の GUID を表示するには、次のコマンドを実行します。

    Get-Mailbox -InactiveMailboxOnly -Identity <identity of inactive mailbox> | Select-Object -ExpandProperty InPlaceHolds

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