Microsoft InfoPath 2010 の概要

この記事の内容

InfoPath および InfoPath Forms Services とは

InfoPath のコンポーネントについて

InfoPath の使用方法

InfoPath の対象ユーザー

熟練したビジネス ユーザー向け

IT プロフェッショナルおよび開発者向け

他のアプリケーションやテクノロジとの連携

InfoPath および InfoPath Forms Services とは

InfoPath 2010 を Microsoft SharePoint Designer 2010 と共に使用すると、SharePoint Server 2010 上で、エンタープライズ規模のワークフローや主要ビジネス データへのアクセスに対応した強力なフォームを利用する、エンドツーエンドのソリューションを容易に作成できます。InfoPath の中核となる強力な XML 編集エンジンにより、エンド ユーザーは簡単にデータを操作できます。

SharePoint の強力なグループ作業機能と並び、InfoPath 2010 は、エンタープライズ アプリケーション ニーズを満たすアプリケーションを迅速に作成するのに必要となる重要なツールセットの 1 つとなります。 ビジネス ユーザーは、InfoPath 2010 と SharePoint Server 2010 の InfoPath Forms Services を利用して、情報を収集、管理、共有する独自のビジネス プロセスを自動化できます。IT 部門、開発者、およびパワー ユーザーは、SharePoint プラットフォーム上で InfoPath フォームを通じて外部データを操作し、ワークフローを運用し、Web ページを強化する強力なビジネス アプリケーションを作成できます。ユーザーは Microsoft Office や SharePoint を使い慣れているため、InfoPath 2010 フォームを利用したビジネス プロセスの作成、使用、改善は迅速かつ簡単です。

Microsoft InfoPath 2010 は、経費報告書、タイム カード、アンケート、保険申請書などの電子フォームのデザインおよび入力に使用できます。このことは、テキスト ボックスやリスト ボックスなどの標準のフォーム コントロールを使用して、または、ユーザー エクスペリエンスを向上させるために、ユーザーがフォームのセクションを自由に追加、削除、置換、または非表示にできるコントロールを挿入して実現することができます。直接関係しているチームのデータを集めるだけの単純なフォームから、より大きなビジネス プロセスの一部となる複雑なフォームまで、さまざまな種類のフォームをデザインできます。InfoPath フォームは、単独で使用することも、既存のデータベースや Web サービスと連携するようにデザインすることもできます。フォームは、共有フォルダー、Web サーバー、Microsoft SharePoint Server 2010 や Microsoft SharePoint Foundation 2010 サイトのライブラリなど、社内ネットワーク上の共通の場所に発行して、そこからアクセスできるようにすることができます。

InfoPath 2010 でフォームに入力する場合は、使い慣れたドキュメント機能を使用できます。たとえば、フォーム内のスペルをチェックしたり、書式設定されたテキストやグラフィックスを特定のフィールドに挿入したりできます。フォーム テンプレートのデザインによっては、複数のフォームのデータを 1 つのフォームに結合することや、データを他のプログラムにエクスポートすることもできます。フォーム テンプレートがブラウザーに対応している場合は、コンピューターに InfoPath をインストールしていないユーザーでも、Web ブラウザーまたはモバイル デバイスでフォームに入力できます。

InfoPath 2010 に加え、InfoPath Forms Services を実行している Microsoft SharePoint Server 2010 を使用すると、InfoPath でブラウザー互換フォーム テンプレートをデザインし、それを内部および外部の Web サイトで使用可能にすることができます。これにより、従業員、顧客、納入業者、パートナーなどのさまざまなユーザーと、ビジネス フォームを共有できます。ユーザーは、フォームに入力するためにコンピューターに InfoPath をインストールしたり、追加プログラムなどを Web からダウンロードしたりする必要はありません。必要なのは、Windows Internet Explorer、Apple Safari、Mozilla Firefox などのブラウザーにアクセスすることだけです。コンピューターに InfoPath がインストールされている場合は、ブラウザーではなく InfoPath でフォームを表示して入力できます。

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InfoPath のコンポーネントについて

InfoPath を構成するコンポーネントは、InfoPath Designer 2010、InfoPath Filler 2010、および InfoPath Forms Services を実行する SharePoint Server 2010 です。InfoPath Designer と InfoPath Filler は、クライアント コンピューターに Microsoft Office Professional Plus 2010 の一部としてインストールされます。InfoPath フォームをブラウザー互換フォームとして発行する場合は、InfoPath Forms Services を実行している SharePoint Server 2010 のインストール環境へのアクセスが必要になります。

InfoPath Designer 2010    InfoPath フォーム テンプレート (.xsn) を作成して発行するには、InfoPath Designer 2010 を使用します。フォーム テンプレート (.xsn) ファイルをデザインするとき、サポート ファイルを格納する単一のファイルを作成します。これらのサポート ファイルによって、特定の InfoPath フォーム ソリューションの基準となるレイアウト、ビュー、およびロジックが実装されます。ユーザーがフォームに入力するときは、関連付けられているフォーム テンプレートに基づくフォーム (.xml) ファイル インスタンスに対して実際に入力が行われます。InfoPath Designer を使用すると、作成済みのレイアウト セクション、あらかじめ用意されているルール、強化されたルール管理、多様なスタイルを含むフォームをすばやく作成できます。また、InfoPath Designer にはさまざまなフォーム テンプレートが用意されているため、フォームをゼロからすべて定義する必要はありません。

InfoPath Filler 2010    InfoPath Filler は、フォームに入力するユーザーに単純で使いやすい UI を提供します。また、ユーザーは、下書きを保存したり、ローカル コピーを保存したり、PDF として保存してフォームのローカル レコードを保持したりすることができます。フォームを開いて入力するだけのユーザー向けとして、フォームのデザインに関する不要な機能はすべて削除されています。

InfoPath Forms Services    InfoPath Filler 2010 フォームと SharePoint Server 2010 内の InfoPath ブラウザー フォームの統一性が向上したことにより、ユーザーがフォームに入力するときの一貫性が向上しました。たとえば、箇条書き、段落番号、標準リスト、複数選択リスト ボックス、コンボ ボックス、ピクチャ ボタン、ハイパーリンク機能、選択肢グループおよび選択肢セクション、フィルター処理機能、日付と時刻のコントロール、ユーザー選択ウィンドウなどの機能を、両方の環境で使用できます。

また、InfoPath 2010 は SharePoint Designer 2010 と統合され、Business Connectivity Services (BCS) 外部リストやワークフロー ソリューションに関連するフォームの作成やカスタマイズが可能になっています。

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InfoPath の使用方法

InfoPath を使用して、同僚、パートナー、納入業者、顧客などからビジネス データを収集できます。少人数のワークグループで使用する簡潔な InfoPath フォームを作成できます。たとえば、10 名から成る営業チームで InfoPath フォームを使用して、訪問販売に関する情報を非公式に収集して共有できます。このようなフォームへの入力データを 1 つのサマリー レポートに結合し、経営陣に毎月送ることができます。

また、非常に精巧なフォームをデザインして、既存の企業データベースに接続したり、既存のビジネス システムに統合したりすることもできます。たとえば、情報技術 (IT) 部門の開発者は、組織の経費報告プロセスを管理する InfoPath フォーム テンプレートをデザインできます。このフォーム テンプレートには、さまざまな職務区分のユーザーが経費報告書の送信、レビュー、承認、および申請者への払い戻しを行うために使用するビューおよびビジネス ロジックの機能を含めることができます。

InfoPath 2010 および InfoPath Forms Services には次のような新機能が導入され、強力な SharePoint 用アプリを迅速かつ簡単に作成できるようになりました。

  • SharePoint リスト アイテムの作成、表示、および編集に使用するフォームをカスタマイズする

  • SharePoint Designer 2010 と連携してワークフロー アプリケーションを作成する

  • InfoPath フォーム Web パーツを使用して、コードを記述せずに強力な Web パーツを作成したり、それらを他の Web パーツと接続してデータ マッシュアップを作成したりする

次に、InfoPath を使用する利点のいくつかを紹介します。

Office システムとの統合    InfoPath は、Microsoft Outlook、Microsoft Excel、Microsoft Access などの Microsoft Office システムの他のさまざまなプログラムおよびサーバーと連携できます。たとえば、電子メール メッセージ内の InfoPath フォームのデザインおよび入力、ワークシートへのフォーム データのエクスポート、データベースへのフォーム データの送信、または SharePoint リストからのデータのクエリを行うことができます。さらに、開発者は、InfoPath フォーム (メニューやツール バーなどのユーザー インターフェイス要素を含まないもの) カスタム アプリケーションに埋め込むことができます。

データの再利用    ユーザーが InfoPath フォームに入力したデータは、そのフォーム以外でも使用できます。書式を再設定したり、さまざまな形で再利用したりすることができます。このような柔軟性があるため、組織の開発者は既存のビジネス プロセスにフォーム データを統合できます。たとえば、売り上げ報告書のフォームで収集したデータを使用して、企業の ERP (エンタープライズ リソース プランニング) システムや CRM (カスタマー リレーションシップ マネージメント) システムを更新できます。つまり、企業全体の人々が必要なときに必要な場所でデータにアクセスできため、より多くの適切な情報を考慮した意思決定が可能になります。販売に関する数値の更新がよりタイムリーに行われるようになり、事業部や経理部などの他の部門が生産やコストを正確に予測することが容易になります。

一貫性のある正確なデータ    InfoPath には、データ入力エラーの回避やフォームへの迅速な入力を支援するさまざまな機能が備えられています。たとえば、数式を使用して数値を自動的に計算したり、ユーザーの注意をデータに向けるために 条件付き書式を使用したりすることができます。また、スペル チェック機能を有効にして、フォーム送信前にスペルをチェックできるようにすることもできます。さらに、ユーザーがフォームに入力するときに、入力データについて、データの入力規則エラーをチェックできます。フォーム テンプレートがデータベースまたは Web サービスに接続されている場合、ユーザーはエラーを修正するまでデータを送信できません。これにより、収集されるデータが正確で、エラーがなく、指定した基準に適合していることが保証されます。

少ないオーバーヘッド    変更した場合に印刷をやり直さなければならない紙のフォームとは異なり、InfoPath フォーム テンプレートは簡単に変更して再発行できます。また、フォーム テンプレートの更新が自動的に検出されるため、ユーザーはいつでも最新バージョンのフォーム テンプレートを使用できます。

オフライン作業のサポート    InfoPath フォームは、ネットワークに接続していないときでも入力できます。フォームを自分のコンピューターに保存してオフラインで操作し、後で企業ネットワークに再度接続したときにフォームを送信することができます。このことは、出張が多い社員のように、ネットワーク リソースにあまりアクセスしないユーザーや、ネットワーク リソースへのアクセスが制限されているユーザーには特に便利です。

フォームの数の低減    同じビジネス プロセス用に複数の紙のフォームを配布して保守する代わりに、InfoPath では複数のビューを含む単一のフォーム テンプレートを作成できます。たとえば、経費報告書のフォーム テンプレート内に、経費を入力する従業員のための第 1 のビュー、経費を承認するマネージャーのための第 2 のビュー、および払い戻しを処理する従業員のための第 3 のビューを作成できます。既定では、ユーザーは、[ホーム] タブの [現在のビュー] ボックスの一覧からビューを選択することによって、ビューを切り替えることできます。また、フォームが開かれたり、フォームが送信されたり、フォーム内のボタンがクリックされたときに自動的にビューを切り替えるルールを作成することもできます。

柔軟なコントロール    InfoPath では、テキスト ボックスやリスト ボックスなどの標準のコントロールに加えて、繰り返しテーブル、選択肢グループ、省略可能セクションなどのさまざまなコントロールを使用できます。これらのコントロールを使用すると、ユーザーの要望を満たす柔軟なフォーム テンプレートをデザインできます。たとえば、経費報告書のフォーム テンプレートでは、繰り返しテーブルを使用して、必要な数の経費項目のみを入力するようにできます。

フォーム テンプレートの部分を成すテンプレート パーツを作成することもできます。テンプレート パーツは、保存して、複数のフォーム テンプレートで再利用することができます。一般的なテンプレート パーツは、コントロールとデータ ソースで構成され、さらにデータ接続、データの入力規則、ルールなどの機能を持つことができます。テンプレート パーツを使用すると、作業時間の節約になると共に、組織内のフォーム テンプレートの外観、構造、および動作方法の一貫性を保つために役立ちます。

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InfoPath の対象ユーザー

InfoPath 2010 は、ユーザーや組織が作成したいと考えているフォームベースのソリューションの種類に応じて、熟練したビジネス ユーザー、または IT プロフェッショナルや開発者が使用することを目的として設計されています。ただし、フォームへの入力は、すべてのレベルのユーザーが行うことができます。

熟練したビジネス ユーザー向け

InfoPath 2010 では、差し迫ったビジネス ニーズを満たす情報をコスト効率の高い方法で迅速に収集できる、機能豊富な電子フォームをデザインできます。コードを記述することなく、集計フィールド、既定値の設定、条件付き書式、ヒントなどの機能を使用して、フォームをカスタマイズできます。組織で SharePoint Server 2010 も使用している場合は、SharePoint リストに保存された情報を取得するためのフォームを作成できます。共有場所 (SharePoint リストなど) に情報を保存すると、チーム メンバーがその情報を利用しやすくなり、グループでの作業の効率が向上します。

また、InfoPath Filler でフォームに入力する環境、および Microsoft Outlook や Microsoft SharePoint Workspace 2010 (旧 Microsoft Office Groove) などの他の Microsoft Office 2010 アプリケーションとの相互運用性が改良され、オンライン入力、オフライン入力、モバイル デバイスでの入力など、ユーザーがフォームに入力するときのオプションが増えました。さらに、InfoPath 2010 を使用すると、Microsoft Office Word、Microsoft PowerPoint、Microsoft Excel の各アプリケーションのドキュメント情報パネルをカスタマイズして、ドキュメントのメタデータを収集できます。

IT プロフェッショナルおよび開発者向け

InfoPath 2010 は、電子フォームのデザイン、開発、展開、ホスト (SharePoint Server との併用時)、収集、集計、および統合のための最適な環境を提供します。InfoPath 2010 は、World Wide Web コンソーシアム (W3C) XML 勧告に従って基礎から構築され、既存のインフラストラクチャやプロセス管理環境と連携するように設計されています。

部門やエンタープライズのビジネス プロセス用の高度なフォームでは、InfoPath 2010 と SharePoint Server 2010 を併用して、複合アプリケーションやワークフロー シーケンスを作成できます。 このとき、コードの記述はほとんどまたはまったく必要ありません。InfoPath 2010 は SharePoint Server 2010 と完全に統合できます。

InfoPath フォームは、SharePoint Server 2010 Business Connectivity Services、Web サービス、SOAP (簡易オブジェクト アクセス プロトコル) および REST (Representational State Transfer) Web サービスを使用して、Microsoft SQL Server、Oracle、SAP などの他のデータ ソースや基幹業務システムと接続できます。また、InfoPath ソリューションは、SharePoint Foundation 2010 ソリューション ファイル (.wsp) および SharePoint サイト テンプレート (.stp) 形式を使用して移植できるため、サイト間やサーバー間でのアプリケーションの移動も簡単です。さらに、InfoPath では、ポータブル性を確保するため、URL は (絶対値ではなく) 相対値として保存されます。

これらのことは、強力なフォーム駆動型のビジネス プロセスの自動化ソリューションを作成するのに役立つ、InfoPath 2010 および SharePoint Server 2010 の機能のほんの数例にすぎません。

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他のアプリケーションやテクノロジとの連携

InfoPath を最大限に活用するために、InfoPath を次の表に示すような他のアプリケーションやテクノロジと連携させて使用することができます。

プログラムまたはテクノロジ

InfoPath との連携

Microsoft SharePoint Foundation 2010

Microsoft SharePoint Foundation 2010 を実行しているサーバー上のライブラリにフォーム テンプレートを直接発行できます。これにより、関連するフォームをすべて同じ場所に保存できます。たとえば、営業チームは SharePoint サイトを使用して、売り上げ報告書フォームのデータを入力、保存、閲覧することができます。ライブラリでは、ユーザーがフォーム テンプレートに基づくフォームに入力したり、入力済みフォームのデータを Excel にエクスポートしたり、複数のフォームのデータを単一のフォームに結合したりできます。フォーム テンプレートにデータ接続を設定して、SharePoint のリストやライブラリからデータを受信したり、ライブラリにデータを送信したりすることもできます。

また、SharePoint Foundation 2010 を実行しているサーバーに、サイト コンテンツ タイプとしてフォーム テンプレートを発行することができます。これにより、複数のフォーム テンプレートを単一のライブラリに割り当てたり、単一のフォーム テンプレートをサイト コレクションの複数のライブラリに割り当てたりすることができます。

Microsoft SharePoint Server 2010

Microsoft SharePoint Server 2010 は、SharePoint Foundation 2010 のコア機能を拡張する統合サーバー アプリケーション スイートです。

SharePoint Server 2010 上のライブラリにフォーム テンプレートを直接発行し、それを Web 上で使用可能にすることができます。さらに、次の機能を活用できます。

InfoPath Forms Services    ブラウザー互換のフォーム テンプレートをデザインし、InfoPath Forms Services を実行している SharePoint Server に発行できます。ユーザーは、Web ブラウザーまたはモバイル デバイスで、そのフォーム テンプレートに基づいたフォームに入力できます。また、InfoPath Forms Services は組織のフォーム テンプレートを保存、管理するための一元的な場所を提供します。

SharePoint リスト用にフォームを作成    InfoPath 2010 では、ボタンをクリックするだけで、SharePoint の通常のリストまたは外部リストに基づいたフォームを作成できます。ブラウザーで SharePoint リストに移動し、SharePoint リボンの [リスト ツール] で、InfoPath を使用してフォームをカスタマイズするように指定するだけです。SharePoint リストのすべてのフィールドを持つフォームを自動的に生成し、それをカスタマイズできるため、フォームの作成に要する時間が短縮されます。1 回のクリック操作でフォームを発行できます。発行したフォームは、SharePoint リストでアクティブになり、使用できる状態になります。

SharePoint Workspace 2010 を使用したオフライン入力    InfoPath 2010 および SharePoint Workspace 2010 を使用すると、ビジネス プロセスの参加者はオンラインでもオフラインでも作業を行うことができます。SharePoint Workspace 2010 は InfoPath フォームと連携するため、InfoPath フォームが含まれる SharePoint リストやライブラリを簡単にオフラインにすることができます。フォームに入力された情報は、参加者が再びオンラインになった時点で自動的に同期されるため、接続の有無に関係なく作業を行うことができます。

Web ページへのフォームの埋め込み    SharePoint Server 2010 では、新しい InfoPath フォーム Web パーツを使用して、従来よりも簡単に、Web ページ上でフォームをホストできます。SharePoint Server 2007 では、Web ページ上で InfoPath フォームをホストする場合、Visual Studio で ASP.NET コードを記述する必要がありました。しかし、これからは、コードを 1 行も記述せずに、Web パーツ ページに InfoPath フォーム Web パーツを使用して、発行済みフォームを指すようにするだけでホストできます。Web パーツを使用して、SharePoint リストまたは SharePoint フォーム ライブラリに発行済みの任意の InfoPath ブラウザー フォームをホストできます。また、ページ上の他の Web パーツにフォームを接続して、データをやり取りすることもできます。

基幹業務システムへのフォームの接続    SharePoint Server 2010 には、データ接続およびシステムへのユーザーによるアクセスを管理する拡張アーキテクチャが用意されています。これにより、複数のデータ ソースにアクセスする複雑なフォームの開発が簡略化され、IT サポートの負荷が最小化されます。

InfoPath 2010 は、SharePoint Server 2010 の Business Connectivity Services (BCS) と連携します。BCS は、外部データとサービス間の接続を利用してソリューションの開発を効率化する組み込みの機能、サービス、およびツールによって、Microsoft Office アプリケーションと SharePoint プラットフォームの機能を拡張します。BCS は、さまざまな方法で外部データ ソースに接続できます。BCS は、ADO.NET データ プロバイダーを介してリレーショナル データベース内のデータを利用および操作できます。また、WSDL 1.1 または 2.0 で記述された SOAP 1.2 プロトコルを介して標準のすべての Web サービスに接続することができます。BCS では、Windows Communication Foundation サービスのほか、ソリューションの開発者によってコンパイルされた Microsoft .NET カスタム コードを利用および操作できます。また、InfoPath 2010 で、REST Web サービスの XML データを取得できるようになりました。REST Web サービスでは、URL を介して渡される入力パラメーターが使用されます。フォーム設計者は、コードを使用することなく動作規則を使用して、URL パラメーターを InfoPath フォーム内で動的に変更し、REST Web サービスから必要なデータを取得できます。

SharePoint Designer 2010 を使用すると、外部リストに対してデータの作成、読み取り、更新、および削除を行うためのカスタム InfoPath フォームを作成できます。SharePoint Workspace 2010 を使用すると、外部リストをオフラインにしても、フォームのカスタマイズ内容は維持されます。SharePoint Workspace 2010 では、サーバーとクライアントで動作するビジネス ロジックとそのコードを追加することもできます。

SharePoint Server のセキュリティで保護されたソリューション    InfoPath 2010 では、ユーザーは 1 回のクリック操作で InfoPath フォームを展開できるようになりました。マネージ コードは、SharePoint Server のセキュリティで保護されたソリューションの一部として実行されます。SharePoint Server のセキュリティで保護されたソリューションを使用した場合、フォーム デザイナーは、限られたアクセス許可セットの範囲内でしか、コードを含むソリューションを SharePoint サイトにアップロードできません。リソース クォータにより、リソースの過度の使用が抑えられます。サイト コレクション管理者は、引き続き主導権を持ち、ソリューションの信頼性に関する判断を下します。ファーム管理者は関与する必要がありません。

データ接続ライブラリ    複数のフォーム テンプレートで同じまたは類似のデータ接続を使用する場合は、SharePoint Server 2010 サイト上のデータ接続ライブラリ内のデータ接続ファイルにデータ接続の設定を保存できます。データ接続ファイルに接続するフォームをユーザーが開くと、そのファイル内の設定を使用して外部データ ソースに接続されます。このように、複数のフォーム テンプレートで同じデータ接続ファイルを使用できるため、フォーム テンプレートごとに同じデータ接続を最初から作成する必要はありません。さらに、外部データ ソースの場所または接続設定が変わった場合、個々のフォーム テンプレートを更新しなくても、データ接続ファイルを更新するだけで済みます。

ワークフロー    InfoPath を SharePoint Server 2010 と組み合わせて使用すると、InfoPath 内でサーバーベースのドキュメント ワークフローに直接参加できます。フォーム テンプレート上でワークフローを開始したり、進行中のワークフローの状態を追跡したり、ワークフロー タスクを実行したりできます。SharePoint Server 2010 には、ドキュメントの承認、ドキュメントのレビュー、署名の収集などの一般的なビジネス プロセスを管理するためにデザインされたいくつかの定義済みワークフローが用意されています。

ドキュメント情報パネル    Microsoft Office の多くのプログラムでは、ドキュメント情報パネル (ドキュメントの上部に表示される編集可能フィールドのセット) でサーバー ドキュメントのプロパティを更新することができます。たとえば、Microsoft Word 2010 文書では、作成者名、作成日、および文書の種類のプロパティの変更が必要になることがあります。この機能を使用すると、サーバーで目的の情報を検索するのが簡単になります。たとえば、顧客のプロパティが特定の顧客の名前と一致するすべてのプレス リリースをすばやく検索することができます。InfoPath でカスタム ドキュメント情報パネルを作成または編集して、サイト コンテンツ タイプまたはリスト コンテンツ タイプに使用できます。これにより、ドキュメント情報パネルの外観を制御したり、データの入力規則や条件付き書式などの InfoPath 機能を使用してパネル内のフォーム フィールドの動作をカスタマイズしたりすることができます。

Outlook

フォーム テンプレートを電子メール メッセージの宛先のリストに発行することによって、フォーム テンプレートをユーザーに配布することができます。同様に、ユーザーによって入力されたフォームが電子メール メッセージの添付ファイルとして送信されるように、フォーム テンプレートをデザインできます。

Outlook 2010 では、ユーザーは InfoPath フォームを電子メール メッセージとして開いたり、入力したり、送信したりできます。他の電子メール メッセージと同様に、返信したり転送したりすることもできます。受信トレイ内の専用の InfoPath フォーム フォルダーに、関連するフォームを集めて保存できます。各フォームのデータをフォルダーの列に表示すると、複数のフォームのデータのグループ化、フィルター処理、および並べ替えをすばやく行うことができます。

Word

Word でフォームのような形式の文書を作成することはできますが、Word はフォーム デザイン プログラムとしてではなく文書処理プログラムとして使用するのが最も適しています。逆に、InfoPath は電子フォームのデザインおよび入力向けに特別に作成されています。既存の Word 文書を InfoPath フォーム テンプレートに変換するには、InfoPath のインポート ウィザードを使用します。

Excel

ユーザーは、1 つまたは複数の InfoPath フォームのデータを 1 つの新規の Excel ワークシートにエクスポートできます。また、一部の組織では、データを収集するためのフォームとして Excel ブックを使用しています。このようなブックには通常、ユーザーがデータを入力するための空白のセルが含まれています。InfoPath のインポート ウィザードを使用すると、Excel ブックを InfoPath フォーム テンプレートに変換できます。

Access

フォーム テンプレートを既存の Access データベースに接続できます。ユーザーは、接続先のデータベースにクエリしたり、データを送信したりすることができます。同様に、データベースの値をリスト ボックスに埋め込んだり、データベースに関連付けられたフィールドやグループにコントロールをバインドしたりすることもできます。

Access 2010 ではさらに、Access データベースに基づく InfoPath フォーム テンプレートを作成し、宛先のリストに電子メール メッセージとして発行できます。

Microsoft SQL Server

InfoPath は、Microsoft SQL Server 2000 形式から Microsoft SQL Server 2008 形式までの SQL Server データベースと連携できます。

SQL Server データベースに接続するフォーム テンプレートをデザインできます。ユーザーは、このフォームを使用して、接続先のデータベースにクエリしたり、データを送信したりすることができます。同様に、データベースの値をリスト ボックスに埋め込んだり、データベースに関連付けられたフィールドやグループにコントロールをバインドしたりすることもできます。

Microsoft Visual Studio Tools for Applications

InfoPath フォームは、コードを記述しなくてもさまざまな方法でカスタマイズできますが、宣言型ロジックが実装するソリューション機能のニーズを満たさない場合は、コードを使用して InfoPath フォームを拡張できます。マネージ コードの記述に関する知識があれば、デザイン モードから Microsoft Visual Studio Tools for Applications プログラミング環境にアクセスして、Microsoft Visual Basic または Microsoft Visual C# 形式のフォーム コードを記述、編集、およびデバッグできます。その後、記述したコードを InfoPath フォーム テンプレート (.xsn ファイル) に埋め込みます。

たとえば、フォーム内に利子を計算する機能を追加する場合は、フォーム自体にマネージ コードを記述し、フォームを開くか編集するときに InfoPath Filler または InfoPath Forms Services によってコードが実行されるようにすることができます。

Web サービス

他のプログラムやシステムと XML データをやり取りするために、フォーム テンプレートを Web サービスに接続できます。たとえば、InfoPath で直接サポートされていない Oracle データベースとの間でデータをやり取りするために Web サービスを使用できます。Web サービスの値をリスト ボックスに埋め込んだり、Web サービスに関連付けられたフィールドやグループにコントロールをバインドしたりすることもできます。

XML スキーマ

InfoPath は、拡張マークアップ言語 (XML) に基づいています。フォーム テンプレートをデザインすると、.xsn ファイルが作成されます。このファイルは、XML スキーマ (XSD) ファイルや XSL 変換 (XSLT) ファイルなど、フォームの動作に必要なファイルを含むキャビネット (.cab) ファイルです。InfoPath でフォームにデータを入力すると、データは業界標準の XML として保存または送信されます。ただし、フォーム テンプレートをデザインしたり、フォームに入力したりするのに、XML の知識は必要ありません。重要なのは、XML の使用により、フォームで収集したデータの再利用が容易になることです。たとえば、出張報告書用の 1 つの InfoPath フォームを使用して収集した XML データを、カスタマー リレーションシップ マネージメント システム、小口現金システム、および旅行計画システムに提供できます。また、組織で経費報告書に特定の .xsd ファイルを使用している場合は、その .xsd ファイルを基に経費報告書のフォーム テンプレートをデザインできます。既存のスキーマがない場合は、コントロールをフォーム テンプレートに追加すると、自動的にスキーマが作成されます。

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