Exchange 2007 サポート終了のロードマップ

Exchange Server 2007 は 2017 年 4 月 11 日にサポートを終了します。まだ Exchange 2007 から Office 365 または Exchange 2016 に移行していない場合は、移行を始めることをお勧めします。

サポート終了とはどのような意味ですか?

ほぼすべてのマイクロソフト製品と同様に、Exchange Server にもサポート ライフサイクルがあり、この期間中は新機能、バグ修正、セキュリティの修正プログラムなどがマイクロソフトから提供されます。このライフサイクルは通常、製品の最初のリリース日から 10 年間続き、このライフサイクルの終了を製品のサポート終了と呼びます。Exchange 2007 が 2017 年 4 月 11 日にサポートを終了した後、マイクロソフトでは以下の提供を終了します。

  • 問題が発生した場合のテクニカル サポート

  • 検出された問題、およびサーバーの安定性や使いやすさに影響する可能性がある問題のバグ修正

  • 検出された脆弱性、およびサーバーがセキュリティ違反の攻撃を受ける可能性がある脆弱性に対するセキュリティの修正

  • タイム ゾーンの更新

Exchange 2007 のインストールは、この日付以降も引き続き実行できます。ただし上記の変更のため、できるだけ早く Exchange 2007 から移行することを強くお勧めします。

近い将来予定されている Office 2007 サーバーのサポート終了の詳細については、「Office 2007 サーバーのアップグレードを計画する」を参照してください。

どのようなオプションがありますか?

Exchange 2007 はサポートが終了するので、選択肢を調べて移行計画を準備する良い機会です。以下のことが実行できます。

  • 一括、段階的、またはハイブリッドという移行方法で Office 365 に移行します。

  • Exchange 2007 サーバーをオンプレミス サーバーの新しいバージョンの Exchange に移行します。

以下のセクションでは各選択肢について詳しく説明します。

Office 365 への移行

Exchange 2007 展開を終了するには、メールを Office 365 に移行するのが最もお勧めで簡単な方法です。Office 365 に移行すると、10 年前のテクノロジから次のような最新の機能へとすぐに切り替えられます。

  • アイテム保持ポリシー、インプレース ホールド、訴訟ホールド、インプレース電子情報開示などのコンプライアンス機能

  • Office 365 グループ

  • 優先受信トレイ

  • Delve Analytics

  • REST API を使用したプログラムによるメール、予定表、連絡先などへのアクセス

Office 365 には新しい機能とエクスペリエンスもありますが、通常は管理者もユーザーもすぐに使い始めることができます。新しい機能が追加されるだけでなく、次のような心配事がなくなります。

  • ハードウェアを購入して保守する

  • サーバーの冷暖房費用を支払う

  • セキュリティ、製品、タイム ゾーンの修正を最新の状態に維持する

  • コンプライアンスの要件に対応するようにストレージとソフトウェアを保守する

  • 新しいバージョンの Exchange にアップグレードする (Office 365 なら、常に最新バージョンの Exchange です)

Office 365 への移行方法

Office 365 に移行する場合、組織によっていくつかの選択肢があります。移行方法を決める場合、移行する必要があるシート数とメールボックス数、移行期間の長さ、移行時にオンプレミス インストールから Office 365 へのシームレスな統合が必要かどうかなどの事項を考慮する必要があります。次の表は、移行の選択肢と、使用する方法を決める際の最も重要な要素をまとめた一覧です。

移行の選択肢

組織の規模

期間

一括移行

150 シート未満

1 週間以内

段階的な移行

150 シート超

数週間

完全なハイブリッド移行

数百から数千シート

数か月間以上

以下のセクションでは、これらの方法の概要について説明します。各方法の詳細については、「移行パスを決定する」を参照してください。

一括移行

一括移行は、事前に選択した日時に、すべてのメールボックス、配布グループ、連絡先などを Office 365 に移行する方法です。移行が完了したら、オンプレミスの Exchange サーバーをシャットダウンし、Office 365 のみを使い始めます。

一括移行方法は、メールボックス数が少ない小規模な組織で、すぐに Office 365 に移行して、他の方法のような複雑な手続きを避けたい場合に最適です。ただし、1 週間以内に完了し、ユーザーが Outlook プロファイルを再構成する必要があるので、ある程度の制限もあります。一括移行では最大 2,000 メールボックスを処理できますが、移行メールボックス数が最大 150 の場合にこの方法を選択することを強くお勧めします。移行メールボックス数が 150 を超える場合、期限内にすべてのメールボックスを転送できず、ユーザーが Outlook を再構成するためのサポート作業に IT サポート スタッフが対応できなくなる可能性があります。

一括移行を検討している場合は、次の点を考慮してください。

  • Office 365 は、Outlook Anywhere を使用して TCP ポート 443 経由で Exchange 2007 サーバーと接続する必要があります。

  • すべてのオンプレミス メールボックスが Office 365 に移行されます。

  • ユーザーのメールボックスの内容を読み取るアクセス権を持つオンプレミス管理者アカウントが必要です。

  • Office 365 で使用する Exchange 2007 の承認済みドメインは、確認済みドメインとしてサービスに追加する必要があります。

  • 移行の開始から、移行の完了フェーズの開始までの間、Office 365 は Office 365 とオンプレミスのメールボックスを定期的に同期します。そのため、移行の完了時にオンプレミスのメールボックスにメールが残ることを心配する必要はありません。

  • ユーザーは Office 365 用の新しい一時パスワードを受け取ります。このパスワードは、ユーザーが初めてメールボックスにログインするときに変更する必要があります。

  • 移行する各ユーザー メールボックス用に Exchange Online を含む Office 365 ライセンスを用意する必要があります。

  • ユーザーは自分の各デバイスで新しい Outlook プロファイルを設定し、メールを再ダウンロードする必要があります。Outlook でダウンロードされるメール数はユーザーごとに異なります。詳細については、「オフラインで保持するメールの数を変更する」を参照してください。

一括移行の詳細については、以下を参照してください。

段階的な移行

段階的な移行は、Office 365 に移行するメールボックス数が数百から数千で、移行が完了するまでに 1 週間以上が必要で、予定表の空き時間情報の共有などの高度なハイブリッド移行機能が不要な場合の移行方法です。

段階的な移行は、メールボックスの Office 365 への移行にさらに長い期間が必要で、数週間以内に移行を完了したい組織に最適です。メールボックスは、一度に移行するメールボックスとその数を指定して "バッチ" 移行することができます。たとえば、同じ部門のユーザーのメールボックスをバッチ処理して、部門の全員が同時に移行されるようにすることができます。また、最終段階まで役員のメールボックスを残すこともできます。一括移行と同様に、ユーザーは自分の Outlook プロファイルを作成し直す必要があります。

段階的な移行を検討している場合は、次の点を考慮してください。

  • Office 365 は、Outlook Anywhere を使用して TCP ポート 443 経由で Exchange 2007 サーバーと接続する必要があります。

  • ユーザーのメールボックスの内容を読み取るアクセス権を持つオンプレミス管理者アカウントが必要です。

  • Office 365 で使用する Exchange 2007 の承認済みドメインは、確認済みドメインとしてサービスに追加する必要があります。

  • バッチ処理で移行する各メールボックスのフルネームとメール アドレスを含む CSV ファイルを作成する必要があります。また、移行する各メールボックスの新しいメールボックスも CSV ファイルに含め、そのパスワードを各ユーザーに送信する必要があります。ユーザーは新しい Office 365 メールボックスに初めてログインするときに、パスワードの変更を求められます。

  • 移行バッチの開始から、移行の完了フェーズの開始までの間、Office 365 は、バッチに含まれるオンプレミスのメールボックスと Office 365 を定期的に同期します。そのため、移行の完了時にオンプレミスのメールボックスにメールが残ることを心配する必要はありません。

  • ユーザーは Office 365 用の新しい一時パスワードを受け取ります。このパスワードは、ユーザーが初めてメールボックスにログインするときに変更する必要があります。

  • 移行する各ユーザー メールボックス用に Exchange Online を含む Office 365 ライセンスを用意する必要があります。

  • ユーザーは自分の各デバイスで新しい Outlook プロファイルを設定し、メールを再ダウンロードする必要があります。Outlook でダウンロードされるメール数はユーザーごとに異なります。詳細については、「オフラインで保持するメールの数を変更する」を参照してください。

段階的な移行の詳細については、以下を参照してください。

完全なハイブリッド

完全なハイブリッド移行は、組織内のメールボックス数が数百から数万で、その一部またはすべてを Office 365 に移行する方法です。通常、ハイブリッド移行には長期間かかるため、次のことが可能になります。

  • オンプレミス ユーザーに、Office 365 のユーザーについて予定表の空き時間情報を表示する (またはその逆も可能)

  • オンプレミスと Office 365 両方の受信者を含む統合されたグローバル アドレス一覧を表示する

  • オンプレミスか Office 365 かどうかにかかわらず、すべてのユーザーの Outlook 受信者カードを表示する

  • TLS と証明書を使用して、オンプレミスの Exchange サーバーと Office 365 間のメール通信をセキュリティで保護する

  • オンプレミスの Exchange サーバーと Office 365 間で送信されたメッセージを組織内のメッセージとして扱うことができるので、次のことが可能になる

    • 組織内メッセージを対象とするトランスポートおよびコンプライアンス エージェントが、正しく評価および処理する

    • スパム対策フィルターをバイパスする

完全なハイブリッド移行は、ハイブリッド構成の継続期間を数か月以上と見積もっている組織に最適です。このセクションの前述の機能に加え、ディレクトリ同期、より統合的なコンプライアンス機能、オンライン メールボックスの移動を使用して Office 365 との間でメールボックスを移動する機能を利用できます。Office 365 はオンプレミス組織の拡張先になります。

完全なハイブリッド移行を検討している場合は、次の点を考慮してください。

  • 完全なハイブリッド移行が適していない組織の種類もあります。完全なハイブリッド移行は複雑なので、通常、メールボックス数が数百未満の組織には、設定に必要な労力とコストに見合う利点がありません。このような組織の場合は、一括移行または段階的な移行を強くお勧めします。

  • Exchange 2007 組織には、"ハイブリッド サーバー" として動作する Exchange 2013 サーバーを少なくとも 1 つ展開する必要があります。このサーバーは、Exchange 2007 サーバーに代わって Office 365 と通信します。

  • Office 365 は、Outlook Anywhere を使用して TCP ポート 443 経由で "ハイブリッド サーバー" と接続する必要があります。

  • オンプレミスの Active Directory サーバーと Office 365 間で Azure Active Directory Connect (AADConnect) を使用してディレクトリ同期を設定する必要があります。

  • ユーザーは、ローカル ネットワークへのログイン時に使用しているユーザー名とパスワードを使用して、Office 365 メールボックスにログインできるようになります (パスワード同期や Active Directory フェデレーション サービスを使用する Azure Active Directory Connect が必要です)。

  • 移行する各ユーザー メールボックス用に Exchange Online を含む Office 365 ライセンスを用意する必要があります。

  • ユーザーは、ほとんどのデバイスで新しい Outlook プロファイルを設定する必要はありません (一部の古い Android フォンでは、新しいプロファイルを設定する必要があります)。また、メールを再ダウンロードする必要はありません。

完全なハイブリッド移行が適している組織の場合は、次のリソースを参照して移行してください。

新しいバージョンの Exchange Server への移行

Office 365 に移行することで、最高の価値とユーザー エクスペリエンスを実感していただけると確信していますが、一部の組織ではメールをオンプレミス環境で保持する必要があることも理解しています。たとえば、別の国のデータセンターにデータを格納してはならないという規制要件がある場合などです。オンプレミス環境でメールを保持する場合は、Exchange 2007 環境を Exchange 2010、Exchange 2013、または Exchange 2016 に移行できます。

Office 365 に移行できない場合は、Exchange 2016 に移行することをお勧めします。Exchange Server 2016 には、Exchange の以前のリリースに含まれているすべての機能と進化が含まれており、Office 365 で利用可能なエクスペリエンスと最も近いバージョンです (ただし、一部の機能は Office 365 でのみ使用できます)。次に Exchange 2007 にはない機能の一部を紹介します。

Exchange のリリース

機能

Exchange 2010

  • 役割ベースのアクセス制御 (ACL を使用しないアクセス許可)

  • Outlook Web Access メールボックス ポリシー

  • 空き時間情報を共有し、組織間で予定表を委任する機能

Exchange 2013

Exchange 2010 の機能と以下の機能

  • アーキテクチャが簡素化され、サーバーの役割が 3 つに減少 (メールボックス、クライアント アクセス、エッジ トランスポート)

  • 機密情報の漏えいを防ぐデータ損失防止 (DLP) ポリシー

  • 大幅に改善された Outlook Web App の操作性

Exchange 2016

Exchange 2013 の機能と以下の機能

  • サーバーの役割がさらに簡素化され、メールボックスとエッジ トランスポートのみに減少

  • DLP の改良と SharePoint への統合

  • データベースの回復性の改善

  • オンライン ドキュメント​​のコラボレーション

推奨される移行先バージョン

まずは Exchange 2016 への移行を想定することをお勧めします。次に、以下の情報を参照して、その想定を確認するか、Exchange 2016 を除外します。何らかの理由で Exchange 2016 に移行できない場合は、Exchange 2013 で同じプロセスを繰り返します。以降も同様に繰り返します。

考慮事項

詳細情報

サポート終了日

Exchange 2007 と同様に、各バージョンの Exchange にはサービス終了日があります。

  • Exchange 2010    – 2020 年 1 月

  • Exchange 2013    – 2023 年 4 月

  • Exchange 2016    – 2025 年 10 月

サービス終了日が早いほど、また移行を実行する時期が早くなります。2020 年 1 月は考えているより早く来ます。

Exchange 2010 と 2013 への移行パス

Exchange 2010 または Exchange 2013 に移行する場合の一般的なフェーズは次のとおりです。

  1. Exchange 2010 または 2013 を既存の Exchange 2007 組織にインストールします

  2. サービスとその他のインフラストラクチャを Exchange 2010 または 2013 に移行します

  3. メールボックスとパブリック フォルダーを Exchange 2010 または 2013 に移行します

  4. 残っている Exchange 2007 サーバーを停止します

Exchange 2016 への移行パス

Exchange 2016 に移行する場合の一般的なフェーズは次のとおりです。

  1. Exchange 2013 を既存の Exchange 2007 組織にインストールします

  2. サービスとその他のインフラストラクチャを Exchange 2013 に移行します

  3. メールボックスとパブリック フォルダーを Exchange 2013 に移行します

  4. 残っている Exchange 2007 サーバーを停止します

  5. Exchange 2016 を既存の Exchange 2013 組織にインストールします

  6. メールボックス、パブリック フォルダー、サービス、その他のインフラストラクチャを Exchange 2016 に移行します (移行順序は任意です)。

  7. 残っている Exchange 2013 サーバーを停止します

注: Exchange 2013 から Exchange 2016 への移行は簡単です。両バージョンのハードウェア要件はほぼ同じです。この点と、両バージョンの互換性が高いことから、Exchange 2013 用に購入したサーバーを再構築して、Exchange 2016 をインストールすることができます。また、オンライン メールボックスの移行では、メールボックスがサーバーから移行され、Exchange 2016 で再構築後に戻したことにほとんどのユーザーは気づきません。

バージョンの共存

移行先のバージョンごとに異なります。

  • Exchange 2016    Exchange 2016 は、Exchange 2007 サーバーがインストールされている組織にインストールできません。まず Exchange 2010 または 2013 に移行し (Exchange 2013 を強くお勧めします)、すべての Exchange 2007 サーバーを削除してから、Exchange 2016 に移行する必要があります。

  • Exchange 2010 または Exchange 2013    Exchange 2010 または Exchange 2013 を既存の Exchange 2007 組織にインストールできます。そのため、1 つまたは複数の Exchange 2010 または 2013 サーバーをインストールし、移行を実行することができます。

サーバー ハードウェア

サーバー ハードウェアの要件は Exchange 2007 から変わりました。使用するハードウェアに互換性があることを確認する必要があります。各バージョンのハードウェアの要件については、以下を参照してください。

Exchange のパフォーマンスが大幅に改善され、新しいサーバーの処理能力とストレージ容量が向上したため、同数のメールボックスを少数のサーバーでサポートできるようになる可能性があります。

オペレーティング システムのバージョン

各バージョンでサポートされる最小バージョンのオペレーティング システムは次のとおりです。

  • Exchange 2016    Windows Server 2012

  • Exchange 2013    Windows Server 2008 R2 SP1

  • Exchange 2010    Windows Server 2008 SP2

オペレーティング システムのサポートの詳細については、「Exchange Server のサポート一覧」を参照してください。

Active Directory フォレストの機能レベル

各バージョンでサポートされる最小の Active Directory フォレストの機能レベルは次のとおりです。

  • Exchange 2016    Windows Server 2008 R2 SP1

  • Exchange 2013    Windows Server 2003

  • Exchange 2010    Windows Server 2003

フォレストの機能レベルのサポートの詳細については、「Exchange Server のサポート一覧」を参照してください。

Office クライアントのバージョン

各バージョンでサポートされる最小バージョンの Office クライアントは次のとおりです。

  • Exchange 2016    Office 2010 (最新バージョンの更新プログラムを適用済み)

  • Exchange 2013    Office 2007 SP3

  • Exchange 2010    Office 2003

Office クライアントのサポートの詳細については、「Exchange Server のサポート一覧」を参照してください。

移行方法

メールをオンプレミスに保持することを決めたら、次のリソースを参照して移行してください。

ヘルプが必要な場合

Office 365 への移行中は、Microsoft FastTrack サービスをご利用いただけます。FastTrack は、できるだけシームレスに Office 365 へ移行できるように、ベスト プラクティス、ツール、リソースを用意しています。その上、計画と設計から最後のメールボックスを移行するまでの移行手順を実際のサポート エンジニアがサポートします。FastTrack の詳細については、「Microsoft FastTrack」を参照してください。

Office 365 への移行中に問題問題が発生し、FastTrack を使用していない場合、または新しいバージョンの Exchange Server に移行する場合は、このサービスをご利用いただけません。次のリソースをご利用ください。

関連トピック

Office 2007 のサーバーとクライアントからのアップグレードに役立つリソース
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