保留中のメールボックスの回復可能なアイテム クォータを増やす

Exchange Online の新しいメールボックスに自動的に適用される既定のアイテム保持ポリシー (既定の MRM ポリシー) には、回復可能なアイテム - 14 日でアーカイブへ移動という名前の保持タグが含まれています。この保持タグは、アイテムの 14 日の保持期限が経過した後、ユーザーのプライマリ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーにあるアイテムを、ユーザーのアーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーに移動します。これが行われるようにするには、ユーザーのアーカイブ メールボックスを有効にする必要があります。アーカイブ メールボックスが有効になっていない場合は、アクションは実行されません。つまり、ホールドされているメールボックスの回復可能なアイテム フォルダーのアイテムは、14 日の保持期間が過ぎてもアーカイブ メールボックスに移動されません。ホールド状態のメールボックスからは何も削除されないため、回復可能なアイテム フォルダーのストレージ クォータを超える可能性があります (特に、ユーザーのアーカイブ メールボックスが有効になっていない場合)。この制限を超える可能性を減らすため、Exchange Online でメールボックスがホールド状態になると、回復可能なアイテム フォルダーのストレージ クォータは、30 GB から 100 GB に自動的に増やされます。アーカイブ メールボックスが有効になっている場合は、アーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーのストレージ クォータも、30 GB から 100 GB に増やされます。つまり、アーカイブ メールボックスが有効になっていると、ホールド状態の回復可能なアイテム フォルダー (ユーザーのプライマリ メールボックスとアーカイブ メールボックス) に使用できるストレージは合計で 200 GB になります。

次の表は、回復可能なアイテム フォルダーのストレージ クォータをまとめたものです。

回復可能なアイテム フォルダーの場所

ホールド状態ではないメールボックス

ホールド状態のメールボックス

プライマリ メールボックス

30 GB

100 GB

アーカイブ メールボックス

30 GB

100 GB*

回復可能なアイテム フォルダーの合計ストレージ クォータ

60 GB

200 GB

注: * これは、回復可能なアイテム フォルダーの合計ストレージ クォータです。アーカイブ メールボックス全体のクォータではありません。Exchange Online (プラン 2) ライセンスを持つユーザーの場合、アーカイブ メールボックスのストレージ クォータは無制限です。

したがって、ホールド状態のメールボックスのプライマリ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーのストレージ クォータが上限に近づいたときは、次の操作を実行できます。

  • アーカイブ メールボックスを有効にする   アーカイブ メールボックスを有効にするだけで、ホールド状態のメールボックスの回復可能なアイテムのストレージ容量を 2 倍 (200 GB) にすることができます。プライマリ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダー用に 100 GB、アーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダー用に 100 GB です。方法については、「Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センターでアーカイブ メールボックスを有効にする」を参照してください。

    注記: 

    • 回復可能なアイテム フォルダーのストレージ クォータの上限に近づいているメールボックスのアーカイブを有効にした後は、管理フォルダー アシスタントを実行し、アシスタントを手動で開始して、期限切れになったアイテムがアーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーに移動されるようにメールボックスを処理できます。方法については、手順 4 を参照してください。

    • ユーザーのメールボックス内の他のアイテムが新しいアーカイブ メールボックスに移動される場合があることに注意してください。アーカイブ メールボックスを有効にした後、このようなことが発生する可能性があることをユーザーに通知してください。

  • ホールド状態のメールボックスに対してカスタム アイテム保持ポリシーを作成する   訴訟ホールドまたはインプレース ホールド状態のメールボックスのアーカイブを有効にするだけでなく、ホールド状態のメールボックスのカスタム アイテム保持ポリシーを作成することもできます。これにより、ホールド状態ではないメールボックスに適用される既定の MRM ポリシーとは異なるアイテム保持ポリシーをホールド状態のメールボックスに適用できます。ホールド状態のメールボックス専用の保持タグを適用できます。これには、回復可能なアイテム フォルダー用の新しい保持タグの作成が含まれます。

このトピックの残りの部分では、ホールド状態のメールボックス用にカスタム アイテム保持ポリシーを作成する詳しい手順について説明します。

手順 1: 回復可能なアイテム フォルダー用のカスタム保持タグを作成する

手順 2:ホールド状態のメールボックス用に新しいアイテム保持ポリシーを作成する

手順 3:ホールド状態のメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用する

(省略可能) 手順 4: 管理フォルダー アシスタントを実行して新しい保持設定を適用する

手順 1: 回復可能なアイテム フォルダー用のカスタム保持タグを作成する

最初に、回復可能なアイテム フォルダー用にカスタム保持タグ (アイテム保持ポリシー タグまたは RPT と呼ばれます) を作成します。前に説明したように、この RPT は、ユーザーのプライマリ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーにあるアイテムを、ユーザーのアーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーに移動します。回復可能なアイテム フォルダーの RPT を作成するには、Windows PowerShell を使用する必要があります。Exchange 管理センター (EAC) を使用することはできません。

  1. リモート PowerShell を使用して Exchange Online に接続します

  2. 次のコマンドを実行して、回復可能なアイテム フォルダー用の新しい RPT を作成します。

    New-RetentionPolicyTag -Name <Name of RPT> -Type RecoverableItems -AgeLimitForRetention <Number of days> -RetentionAction MoveToArchive

    たとえば、次のコマンドは、"Recoverable Items 30 days for mailboxes on hold" という名前の回復可能なアイテム フォルダー用に、保持期間 30 日の RPT を作成します。つまり、回復可能なアイテム フォルダーに格納されて 30 日経ったアイテムは、ユーザーのアーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーに移動されます。

    New-RetentionPolicyTag -Name "Recoverable Items 30 days for mailboxes on hold" -Type RecoverableItems -AgeLimitForRetention 30 -RetentionAction MoveToArchive

    ヒント: 回復可能なアイテムの RPT の保持期間 (AgeLimitForRetention パラメーターによって定義されます) は、RPT 適用対象のメールボックスの削除済みアイテム保持期間と同じにすることをお勧めします。これにより、ユーザーは、削除済みアイテム保持の全期間を通して、アーカイブ メールボックスに移動される前に削除済みアイテムを回復できます。前の例では、メールボックスの削除済みアイテム保持期間が 30 日であるものとして、保持期間を 30 日に設定しました。既定では、Exchange Online のメールボックスは削除済みアイテムを 14 日間保持するように構成されます。ただし、この設定は最大で 30 日まで変更できます。詳細については、「Exchange Online メールボックスの削除済みアイテムの保持期間を変更する」を参照してください。

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手順 2:ホールド状態のメールボックス用に新しいアイテム保持ポリシーを作成する

次に、新しいアイテム保持ポリシーを作成し、手順 1 で作成した回復可能なアイテムの RPT を含む保持タグを追加します。この新しいポリシーは、次の手順でホールド状態のメールボックスに適用されます。

新しいアイテム保持ポリシーを作成する前に、追加するその他の保持タグを決定します。既定の MRM ポリシーに追加される保持タグの一覧、および新しい保持タグを作成については、以下を参照してください。

EAC またはシェルを使用して、アイテム保持ポリシーを作成できます。

EAC を使用してアイテム保持ポリシーを作成する

  1. EAC で、[コンプライアンス管理]、[アイテム保持ポリシー] の順に選択し、[追加] [追加] アイコン をクリックします。

  2. [アイテム保持ポリシーの新規作成] ページで、[名前] にアイテム保持ポリシーの目的を説明する名前を入力します (例: MRM Policy for Mailboxes on Hold)。

  3. [保持タグ] の [追加] [追加] アイコン をクリックします。

  4. 保持タグの一覧で、手順 1 で作成した回復可能なアイテムの RPT を選択して、[追加] をクリックします。

    カスタムの回復可能なアイテムの保持タグを選択する
  5. アイテム保持ポリシーに追加する他の保持タグを選択します。たとえば、既定の MRM ポリシーに含まれているのと同じタグを追加します。

  6. 保持タグの追加が完了したら、[OK] をクリックします。

  7. [保存] をクリックして、新しいアイテム保持ポリシーを作成します。

    詳細ウィンドウにアイテム保持ポリシーにリンクされているアイテム保持タグが表示されることに注意してください。

    詳細ウィンドウには、アイテム保持ポリシーにリンクされているアイテム保持タグが表示されます。

シェルを使用してアイテム保持ポリシーを作成する

ホールド状態のメールボックス用の新しいアイテム保持ポリシーを作成するには、次のコマンドを実行します。

New-RetentionPolicy <Name of retention policy>  -RetentionPolicyTagLinks <list of retention tags>

たとえば、次のコマンドは、前の図に表示されているアイテム保持ポリシーおよびリンクされた保持タグを作成します。

New-RetentionPolicy "MRM Policy for Mailboxes on Hold"  -RetentionPolicyTagLinks "Recoverable Items 30 days for mailboxes on hold","1 Month Delete","1 Week Delete","1 Year Delete","5 Year Delete","6 Month Delete","Default 2 year move to archive","Junk Email","Never Delete","Personal 1 year move to archive","Personal 5 year move to archive"

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手順 3:ホールド状態のメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用する

最後に、組織内のホールド状態のメールボックスに、手順 2 で作成した新しいアイテム保持ポリシーを適用します。1 つまたは複数のメールボックスにアイテム保持ポリシーを適用するには、EAC またはシェルを使用できます。

EAC を使用して新しいアイテム保持ポリシーを適用する

  1. [受信者] の [メールボックス] に移動します。

  2. リスト ビューで、アイテム保持ポリシーを適用するメールボックスを選択して、[編集] [編集] アイコン をクリックします。

  3. [ユーザー メールボックス] ページで、[メールボックスの機能] をクリックします。

  4. [アイテム保持ポリシー] で、手順 2 で作成したアイテム保持ポリシーを選択し、[保存] をクリックします。

EAC を使用して複数のメールボックスにアイテム保持ポリシーを適用することもできます。

  1. [受信者] の [メールボックス] に移動します。

  2. リスト ビューで、Shift キーまたは Ctrl キーを使用して複数のメールボックスを選択します。

  3. 詳細ウィンドウで、[その他のオプション] をクリックします。

  4. [アイテム保持ポリシー] で、[更新] をクリックします。

  5. [アイテム保持ポリシーの一括割り当て] ページで、手順 2 で作成したアイテム保持ポリシーを選択し、[保存] をクリックします。

シェルを使用して新しいアイテム保持ポリシーを適用する

シェルを使用すると、1 つのメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用できます。ただし、シェルの本当に便利な点は、1 つのコマンドで、組織内の訴訟ホールド状態またはインプレース ホールド状態のすべてのメールボックスをすばやく識別して、ホールド状態のすべてのメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用できることです。ここでは、シェルを使用してメールボックスにアイテム保持ポリシーを適用する例をいくつか紹介します。すべての例では、手順 2 で作成したアイテム保持ポリシーを適用します。

この例では、Pilar Pinilla のメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用します。

Set-Mailbox "Pilar Pinilla" -RetentionPolicy "MRM Policy for Mailboxes on Hold"

この例では、組織内の訴訟ホールド状態にあるすべてのメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用します。

$LitigationHolds = Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Where-Object {$_.LitigationHoldEnabled -eq 'True'}
$LitigationHolds.DistinguishedName | Set-Mailbox -RetentionPolicy "MRM Policy for Mailboxes on Hold"

この例では、組織内のインプレース ホールド状態にあるすべてのメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用します。

$InPlaceHolds = Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Where-Object {$_.InPlaceHolds -ne $null}
$InPlaceHolds.DistinguishedName | Set-Mailbox -RetentionPolicy "MRM Policy for Mailboxes on Hold"

Get-Mailbox コマンドレットを使用すると、新しいアイテム保持ポリシーが適用されたことを確認できます。

以下は、前の例のコマンドが訴訟ホールド状態およびインプレース ホールド状態のメールボックスに "MRM Policy for Mailboxes on Hold" アイテム保持ポリシーを適用したことを確認する例です。

Get-Mailbox "Pilar Pinilla" | Select RetentionPolicy
Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Where-Object {$_.LitigationHoldEnabled -eq 'True'} | FT DisplayName,RetentionPolicy -Auto
Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Where-Object {$_.InPlaceHolds -ne $null} | FT DisplayName,RetentionPolicy -Auto

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(省略可能) 手順 4: 管理フォルダー アシスタントを実行して新しい保持設定を適用する

ホールド状態のメールボックスに新しいアイテム保持ポリシーを適用した後、Exchange Online で管理フォルダー アシスタントが新しいアイテム保持ポリシーの設定を使用してこれらのメールボックスを処理するまでに最大で 7 日かかります。管理フォルダー アシスタントの実行を待つ代わりに、Start-ManagedFolderAssistant コマンドレットを使用してアシスタントを手動で開始し、新しいアイテム保持ポリシーを適用したメールボックスを処理できます。

Pilar Pinilla のメールボックスに対して管理フォルダー アシスタントを開始するには、次のコマンドを実行します。

Start-ManagedFolderAssistant "Pilar Pinilla"

ホールド状態のすべてのメールボックスに対して管理フォルダー アシスタントを開始するには、次のコマンドを実行します。

$MailboxesOnHold = Get-Mailbox -ResultSize unlimited | Where-Object {($_.InPlaceHolds -ne $null) -or ($_.LitigationHoldEnabled -eq "True")}
$MailboxesOnHold.DistinguishedName | Start-ManagedFolderAssistant

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詳細情報

  • ユーザーのアーカイブ メールボックスを有効にした後は、(回復可能なアイテム フォルダーのアイテムだけでなく) メールボックスの他のアイテムもアーカイブ メールボックスに移動される可能性があることをユーザーに通知します。これは、Exchange Online メールボックスに割り当てられる既定の MRM ポリシーに、アイテムがメールボックスに配信またはユーザーによって作成された日付から 2 年間経過するとアイテムをアーカイブ メールボックスに移動する保持タグ ("既定 - 2 年でアーカイブへ移動") が含まれるためです。詳細については、「Exchange Online および Exchange Server の既定のアイテム保持ポリシー」を参照してください。

  • ユーザーのアーカイブ メールボックスを有効にした後、アーカイブ メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーにある削除済みアイテムを回復できることもユーザーに伝えます。それには、Outlook でアーカイブ メールボックスの削除済みアイテム フォルダーを選択し、[ホーム] タブの [削除済みアイテムをサーバーから復元] をクリックします。削除済みアイテムの回復の詳細については、「Windows 版 Outlook で削除済みのアイテムを復元する」を参照してください。

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