レコード センターの概要

この記事では、レコード センターを使用したレコードの管理および格納の概念について説明します。Microsoft SharePoint Server 2010 におけるレコードとは、システム内でレコードとして宣言されたアイテムまたはドキュメントのことです。この記事の概要に目を通すことで、レコード センター サイト テンプレートを使用する利点がわかります。レコード センターの作成および使用の詳細については、[参照] のリンク先を参照してください。

この記事の内容

概要

レコード センター サイト テンプレートの機能

レコード センターを使用してレコードを管理する例

レコード センター サイトをデザインする

レコード管理の立案

レコード センター サイトの構成の概要

概要

レコード センターは、法的文書、財務文書など組織のすべてのレコードを格納、管理できる集中管理リポジトリとして機能するように考えられています。レコード センターは、レコードの収集から、レコードの管理、レコードの廃棄に至るレコード管理プロセスを一貫してサポートします。通常、レコード センター サイトは、組織のファイル プランをサポートするために組織のレコード管理担当者と情報技術 (IT) スタッフによってデザインおよび構成されます。

注: Microsoft Office SharePoint Server 2010 には、レコードをインプレースで管理する機能が用意されています。インプレース レコード管理により、情報管理ポリシーの実施、ルーティング、保留など、レコード センターで利用可能なすべての機能を使用して、任意の SharePoint サイトでレコードを管理できます。インプレース レコード管理の詳細については、[参照] のリンク先を参照してください。

Microsoft Office SharePoint Server 2010 のレコード センター サイト テンプレートは、ドキュメントの汎用リポジトリとして機能し、サイト ユーザー間の共同作業を可能にするという点では、その他の SharePoint サイトに似ています。ただし、レコード センター サイト テンプレートは、組織がレコードの管理および維持を行うプログラムを実装することを支援するために、あらかじめ構成されているサイトです。バージョン管理、監査、メタデータ管理、eDiscovery、カスタマイズ可能なレコード ルーティングなどの各機能が、レコードの効果的な管理を支援するために用意されています。

レコード センター サイト

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レコード センター サイト テンプレートの機能

レコード センター サイト テンプレートは、Microsoft Enterprise Project Management (EPM) ソリューション で利用可能な一部の標準機能を、レコード管理に特化された追加の機能と組み合わせることで、次の機能を実現しています。

保管の機能      レコード センターには、そこに格納されるレコードの整合性を保証するために、次の機能が用意されています。

  • レコードがシステムによって自動的に変更されることはありません。これにより、レコード センター サイトにアップロードしたレコードが、完全に同じものとして後でダウンロードされることが保証されます。

  • サイト管理者は、ドキュメントに加えた変更をバージョンで管理し、特定の種類の変更を監査することで、レコードが直接改ざんされるのを防ぐようにサイト センターを構成できます。

  • サイト センターを使うと、レコードの管理者は、メタデータをレコードのメタデータとは別にアイテムに追加および管理して、レコード管理タスクに直接関連する情報の更新を、基になるレコードを変更しないで実行できます。

情報管理ポリシーの実施      Microsoft Office SharePoint Server 2010 には、レコードの管理に役立つ次のポリシー機能が用意されています。

  • 監査      監査は、ファイルに対して実行されたイベントと操作を記録する機能です。監査を使うと、レコード センターにある情報の表示やアクセスを行った個人を記録できます。

  • 有効期限      有効期限は、レコードを保持する期間と、保持期間が終了したときに実行する操作 (レコードの削除、廃棄承認のワークフローの開始など) を指定する機能です。レコードの保持期間は、レコードが最初にレコード センターに送信された時点で常に開始されます。

  • バーコード      バーコードは、固有のバーコード イメージと数値を各レコードに割り当てる機能です。バーコードの値は、レコードの電子バージョンと共に格納され、インデックスが作成されます。この機能は、物理レコードの保持とトラッキングに便利です。ライブラリ内のレコードに複数の物理バージョンがあるときは、物理バージョンを電子バージョンに対応付ける手段としてバーコードを使用できます。

プログラミング可能なレコード収集インターフェイス      レコード センターでは、レコードの収集を支援する一連のサービスがサポートされています。レコード センターのプログラミング可能なインターフェイスを使用すると、ドキュメント管理システムと電子メール システムの両方を構成して、ファイルがレコード センター サイトに自動的に送信されるように設定できます。レコード センターへコンテンツを送信するには、SOAP (Simple Object Access Protocol) を使用した Web サービスによる方法と、SMTP (Simple Mail Transfer Protocol) を使用した電子メールによる方法の 2 つがあります。また、Microsoft SharePoint Designer 2010 で設計されたワークフローを使用してレコードをレコード センターに送信する方法もあります。レコード センターへのレコードの送信の詳細については、[参照] のリンク先を参照してください。

レコード ルーティング      レコード センターのコンテンツ オーガナイザーにより、受信したレコードを (自動送信と手動送信を区別せず) レコードの種類に基づいて適切な場所に自動的に転送することができます。レコード センターに送信されたレコードには、多くの場合、監査履歴、メタデータなどの関連情報が追加されています。レコードの監査履歴はレコード センターに XML ファイルとして格納され、レコードのメタデータは XML ファイルとレコード センター サイトのメタデータ列の 2 つの場所に格納されます。コンテンツ オーガナイザーを使用したレコードの構成およびルーティングの詳細については、「参照」のリンク先を参照してください。

保留リスト      レコード センターの e-Discovery 機能では、訴訟の一部として法的な開示の状態にあるレコードや、監査または調査の対象となっているレコードを保留リストに配置できます。レコードを保留リストに置くと、そのレコードは、有効になっている有効期限ポリシーの適用対象から一時的に除外され、廃棄されない状態になります。たとえば、訴訟が起こされている場合、証拠として提出する必要があると予想されるレコードを保留リストに配置して、訴訟が結審するまで使用可能な状態で残しておくことができます。レコードは、一度に複数の保留リストに配置できます。レコード管理者は、レコード センターを検索して、保留中にする必要があるレコードを探すこともできます。e-Discovery の詳細については、「参照」のリンク先を参照してください。

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レコード センターを使用してレコードを管理する例

多くの場合、企業は税務上の目的で定期的に財務報告を作成し開示することが求められます。たとえば、監査プロセスの一部として、任意の時点で財務情報の公開を要求される可能性があります。そのような場合、財務情報は、どのような方法でもデータが変更されていないという要件に従って公開する必要があります。この要件を満たすには、会社の財務部が財務報告を検索し、SharePoint のレコード センター サイト内にある特定の保留リスト ライブラリに送る必要があります。報告書を保留リスト ライブラリに送ることで、所定の日時になるか、適正な認証が実行されるまで、その報告書に対するアクセスがブロックされ、適用中のものを含むすべての定義済みポリシーが停止されます。財務報告は、関連付けられた監査履歴および他のメタデータと共にレコード センター サイトに保存されます。

レコードを保持するためのワークフローの例

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レコード センター サイトをデザインする

最も高いレベルでは、レコード管理プログラムを実装するためにレコード センター サイトをデザインするための主な手順が 2 つあります。

  1. 組織で、レコード管理の戦略と正式なレコード管理プランを作成する必要があります。この作業は、レコード管理者、法規順守監督者、IT プロフェッショナル、およびインフォメーション ワーカーが協力して行います。

  2. 次に、1 つ以上のレコード センター サイトを構成してレコード管理プランを実施する必要があります。

以下に、これらの手順で扱われる主な要素の要約を示します。

レコード管理の立案

レコード センター サイトを組織のレコード管理ソリューションとして構成するには、レコード管理戦略の正式な計画を最初に立案する必要があります。正式なレコード管理プランを構成する個々の要素は、多くの場合に組織やビジネスによって異なります。ただし、ほとんどのレコード管理プランには次のドキュメントとプロセスが含まれます。

ファイル プラン      ファイル プランでは、組織が正式なビジネス レポートとして認めるドキュメントまたはアイテムの種類を決定します。それらのレコードを格納する場所を示し、レコードの種類を区別するための情報を提供します。ファイル プランは、レコードの作成、格納、および管理のためのポリシー、プロセス、およびガイドラインの包括的なコレクションの役割を担います。ファイル プランには、すべてのレコードが、紙、ブログ、Wiki、電子メール、電子ファイルなどの媒体の区別なく網羅される必要があります。また、レコードの分類方法、セキュリティの適用方法、および最終的な廃棄方法も指定する必要があります。企業秘密、重要、貿易機密、優先などの特別なレコード分類項目を使うことも検討します。ファイル プランには、各種類のレコードを管理する担当者を指定する必要があります。

レコード ライブラリ      SharePoint では、レコード ライブラリは基本的に、重要なレコードを分類して保存するために作成するドキュメント ライブラリです。保持するレコードの種類ごとにレコード ライブラリを作成します。レコードは、コンテンツ オーガナイザーで構成された設定に基づき、自動的に適切なライブラリに送られます。

コンテンツ タイプ      SharePoint では、コンテンツ タイプを作成して、組織で格納する必要のあるレコードの種類を定義し、レコードの種類ごとに一意のプロパティを任意に指定します。特定の種類のレコードのコンテンツ タイプを定義することにより、コンテンツの各グループを一貫性のある方法で管理できます。Office ドキュメント、PDF、TIFF (スキャンされた画像)、電子メール、インスタント メッセージ対話、ビデオ、および物理レコードはすべて、作成したコンテンツ タイプで分類および格納することができます。たとえば、"契約書" と指定されたレコードはすべて、SharePoint のレコード管理システム内で一貫して同じ方法で処理されます。レコード ライブラリの代替として、コンテンツ タイプを使用してレコードを分類および格納することができます。

保持スケジュール      保持スケジュールでは、ファイル プランの各種類のレコードを保持する期間 (保持期間) とその期間が終了したときにレコードを廃棄するプロセス (廃棄プロセス) を指定します。通常、保持スケジュールのガイドラインは、法律上の義務、組織へのリスク、およびビジネス ニーズに基づきます。また、保持スケジュールでは、各種類のレコードの保持期間を決定する危機管理上の緊急事態を具体的に指定します。

順守要件ドキュメント      順守要件ドキュメントには、順守を保証するためにレコード管理用の IT システムが従う必要があるルール、備える必要がある機能、およびサポートする必要がある定期的なモニタリングの種類を定義します。

  • レコードの廃棄を中断する正式なプロセス      このプロセス ("保留" とも呼ばれる) では、訴訟、監査、または調査などのイベントが実施されるときにレコードの廃棄を中断する方法を具体的に指定します。 

  • レコードの取り扱いをモニタリングおよびレポートするシステム      定義済みのポリシーとプロセスに従って社員がレコードの記録、閲覧、および管理を行うようにするため、レコード管理プログラムには、レコードの取り扱いをモニタリングおよびレポートするためのプロセスまたはシステムが必要です。 

注:  他の SharePoint サイトと同様に、サイズが 2 GB 以下のファイルをレコード センターに手動でアップロードできます。コンテンツ オーガナイザーを使用してレコードをレコード センターに送る場合は、各レコードのサイズ制限は 50 MB です。

レコード管理ソリューションの計画の詳細については、「参照」セクションのリンク先を参照してください。

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レコード センター サイトの構成の概要

詳細なレコード管理の立案に着手し、正式なレコード管理プランを作成した後で、そのプログラムを実施するために役立つレコード センター サイトを作成し、構成できます。

レコード センター サイトを構成するには、次の操作を行う必要があります。

  1. ファイル プランで指定された各種類のレコードを管理および格納するためのレコード ライブラリまたはリストを作成します。

    • レコード プラン内コンテンツ タイプごとにレコード ライブラリを個別に作成することをお勧めします。

    • レコード センターに送信したレコードは、適切なリストまたはライブラリに送られます。

  2. ファイル プランに指定された各レコードの種類のメタデータを格納および表示するために、関連するドキュメント ライブラリ、リスト、またはコンテンツ タイプの列を作成します。

  3. レコード センター サイトにある各レコードの種類の情報管理ポリシーを指定します。これらのポリシーは、組織のファイル プランと保持スケジュールに指定された保持期間と監査の要件を反映している必要があります。

  4. コンテンツ オーガナイザーを構成して、各レコードの種類が適切な場所に送られるようにします。レコードをレコード センター サイトに送信すると、手動で送信したかプログラムで送信したかに関係なく、Microsoft Office SharePoint Server 2010 はこの機能を使用して、レコード センター サイトでレコードを分類する方法とレコードの送信先を決定します。

レコード管理ソリューションの構成およびカスタマイズの詳細については、「参照」のリンク先を参照してください。

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