カスタム ドメインの少数のメール アドレスで Office 365 を試験運用する

作成協力者: Peter Baumgartner

探している内容が見つからない場合は、ドメインに関する FAQ を確認してください。

少数のユーザーを Office 365 に移行して試験的に Office 365 を運用し、それ以外のユーザーは既存のメール システムに残すことができます。そのためには、SMTP メール アドレス用のシンプルなドメイン共有と呼ばれる操作が必要になります。ユーザーが Office 365 と既存のメール プロバイダーのどちらを使ってメールを受信しているかに関係なく、全員のメールで 1 つのカスタム ドメイン名を使うことができます。ただし、制限事項もありますので、それについて以下で説明します。

注: サービスでメールを試験的に運用するために Office 365 をセットアップするには、DNS レコードのセットアップおよび Exchange Online Protection などの機能の操作について習熟している必要があります。このような試験的運用のセットアップがそれぞれのニーズに最適であるかどうかを判断するうえで役立つように、着手する前にすべての手順を慎重にお読みください。

ユーザー数の少ない小規模企業の場合

カスタム ドメインを使うように Office 365 をセットアップし、Office 365 ユーザーを追加し、そのユーザーにメールを転送します。

作業を始める前に、この記事で説明されている追加のセットアップ手順をお読みください。 また、この方法には次のような制限があります。

  • 現在のメール プロバイダーでメールを転送できる必要があります。

  • (Office 365 による管理に任せるのではなく) 使用している DNS ホスティング プロバイダーで Office 365 関連の DNS レコードを管理する必要があります。これに伴う操作については、「ドメインを Office 365 に追加して、独自の DNS レコードを管理する」を参照してください。

  • 次のような Office 365 の機能は使えません。

    • 別のメール プロバイダーを使っているユーザーについては、空き時間情報を参照できません。

    • 管理者はすべてのアカウントを 1 つの場所では管理できません。

  • ユーザーが Office 365 迷惑メール フィルターを使えないことがあります (手順 4 を参照してください)。

大規模、または複雑な企業や組織の場合

この記事の手順には従わないでください。

  • 代わりに、FastTrack のパイロットをセットアップする手順を実行します。

  • または、オンプレミスの Exchange サーバーがある場合は、「Exchange Server 展開アシスタント」の「ハイブリッド」を参照してください。

サンプルの導入事例

例を使用して、Office 365 でパイロットをセットアップする方法を示すのが最も簡単です。 小規模ビジネス向けの手順を、Coho Winery を例にして説明します。 この会社には 5 人の社員がおり、cohowinery.com というカスタム ドメインを使用しています。

経営者の美帆とその夫の達矢は、モバイル デバイスで皆の仕事を把握できるという Office 365 の優れた機能を使おうと考えました。5 人のメールはすべて、この会社の Web サイトをホストし、基本的な IMAP ベースのメールを提供する A. Datum Corporation でホストされています。 Exchange サーバーがないため、すべての連絡先、タスク、予定表は Microsoft Outlook でローカルで管理されています。美帆はいつか他の 3 人を Office 365 に移行するつもりですが、まずは夫と一緒に使ってテストしてから、残りの全員をクラウドに移動するのが良いと考えています。さらに、顧客に影響を与えたくないので、既存のメール アドレスをそのまま使うことを考えています。

美帆は、上記の制限事項を読んで、問題はないと判断しました。メールボックスは 5 人分だけなので、進行中の管理業務はたいしたことはありません。明日華、ちひろ、直紀は、ほとんど予定表を使っていません (自分の個人的なスケジュールだけです)。メールボックスは IMAP サーバーでホストされていますが、制限事項で問題になる機能はサポートされないので、この簡単な解決策で要件が満たされます。

開始時の構成

開始時のドメインとレコードは次のとおりです。

ドメイン: Cohowinery.com

DNS サーバー: dns1.adatum.com、dns2.adatum.com

MX レコード: Preference =10、Mail exchanger = mailserver.adatum.com

SPF レコード: "v=spf1 mx include:adatum.com ~all"

開始時のユーザー、メール アドレス、および主要なメールの場所は次のとおりです。

メールボックス/ユーザー

メール アドレス

主要な場所

美帆

miho@cohowinery.com

A. Datum IMAP

達矢

tatsuya@cohowinery.com

A. Datum IMAP

明日華

asuka@cohowinery.com

A. Datum IMAP

ちひろ

chihiro@cohowinery.com

A. Datum IMAP

直紀

naoki@cohowinery.com

A. Datum IMAP

目的の構成

目的のドメインとレコードは、次のとおりです。Office 365 が追加されています。

ドメイン: Cohowinery.com

DNS サーバー: dns1.adatum.com、dns2.adatum.com

MX レコード: Preference =10、Mail exchanger = mailserver.adatum.com

Office 365 DNS レコード:

使っている Office 365 サービスに対するすべての DNS レコード (次のレコードを除く):

  • Exchange Online MX レコード。

  • 新しい SPF レコードを作成するのではなく、既存の SPF レコードに include:spf.protection.outlook.com を追加します。

レコードのリストについては、「Office 365 でドメインを確認する」を参照してください。

SPF レコード: "v=spf1 mx include:adatum.com include:spf.protection.outlook.com ~all"

目的のユーザー、メール アドレス、および主要なメールの場所は次のとおりです。

メールボックス/ユーザー

メール アドレス

主要な場所

美帆

miho@ cohowinery .com

Office 365

達矢

tatsuya@ cohowinery .com

Office 365

明日華

asuka@cohowinery.com

A. Datum IMAP

ちひろ

chihiro@cohowinery.com

A. Datum IMAP

直紀

naoki@cohowinery.com

A. Datum IMAP

Office 365 管理センターを使用したパイロット構成の設定

手順 1: Office 365 管理センターにサインインする

サインイン時に管理者の資格情報を使用します。

  1. 職場や学校のアカウントで Office 365 にサインインします

  2. ドメインのページに移動します

手順 2: 使おうとしているドメインを所有していることを確認する

  1. [ドメイン] ページで、[ドメインの追加] を選択します。

    [ドメイン] ページで、[ドメインの追加] を選択する

  2. パネルでドメインを入力し (この例では cohowinery.com)、[次へ] を選びます。

  3. [ドメインの確認] ページで、詳細な手順に従って、DNS ホストで TXT レコードを追加します。

    ドロップダウン リストで、DNS ホスティング プロバイダーを選択し、指示に従ってドメインを所有していることを示す TXT レコードを追加します。

    [確認] ページで、指示に従って DNS ホストで TXT レコードを追加する

    重要: ドメインを確認する手順で MX レコードを使う方法が示された場合は、慎重に優先度情報を入力します。この MX レコードは、そのドメインを所有していることを確認するためだけに使用され、メールのルーティングには使われません。A. Datum を通してメールをルーティングする既存の MX レコードよりも、優先度を低くする必要があります。

  4. [確認] を選びます。DNS の変更が有効になるまでの時間は、数分から 72 時間です。

  5. 確認が正常に終了すると、DNS レコードの変更を求めるメッセージが表示されます。

手順 3: Exchange Online でそのドメインを共有としてマークする

  1. Exchange 管理センター (EAC) に移動します。

  2. EAC の [メール フロー] セクションで [承認済みドメイン] をクリックします。

  3. 修正するドメイン (この例では cohowinery.com) をダブルクリックします。

  4. 表示されたウィンドウで、[内部の中継] を選びます。

  5. [保存] をクリックします。この設定が有効になるまでに、数分かかることがあります。

手順 4: (オプション) 既存のメール サーバーのブロックを解除する

Office 365 は迷惑メールからの保護に Exchange Online Protection (EOP) を使います。A. Datum メール サーバーから大量の迷惑メールが転送されていることが EOP で検出された場合は、A. Datum サーバーをブロックして、転送されないようにします。他のメール サーバーが使っている迷惑メールからの保護に信頼を置いている場合は、そのサーバーを Office 365 でホワイトリストに追加できます。しかし、それによって、A. Datum を通った迷惑メールが Office 365 のメールボックスまで届くことになり、Office 365 による迷惑メールからの保護を評価できなくなります。

  1. Exchange 管理センター (EAC) に移動します。

  2. EAC で、[保護]、[接続フィルター] の順に選びます。

    [保護] を選択し、[接続フィルター] をクリックする

  3. [IP 許可一覧] で、[+] を選んでメール サーバーの IP アドレスを追加します。この IP アドレスは、現在のメール プロバイダーにお問い合わせください。

手順 5: ユーザー アカウントを作成して主要な (返信先) アドレスを設定する

  1. Office 365 管理センターに移動します

  2. 左側のナビゲーション バーで、[ユーザー]、[アクティブなユーザー] の順にクリックします。

  3. ユーザー アカウントを作成します。 この例では、美帆と達矢のアカウントを作成します。

    1. 各アカウントについて、[+] (新規) を選んで、必要な情報を入力します。

      • 美帆と達矢のメールが変更されないようにするには、[ユーザー名] フィールドが既存のメール アドレスと正確に同じである必要があります。

    2. [ユーザー名] の隣の、ドロップダウン リストからカスタム ドメイン名を選択します。

  4. [作成]、[閉じる] の順に選択します。

注: EAC で美帆と達矢のプロパティを開くと、@cohowinery.onmicrosoft.com というアドレスが追加の SMTP アドレスのままになっていることを確認できます。

手順 6: DNS ホスティング プロバイダーで DNS レコードを更新する

DNS ホスティング プロバイダーの Web サイトにサインインして、そのプロバイダーに対して「自分で DNS レコードを管理するときに Office 365 の DNS レコードを作成する」の手順を実行します。ただし、次のような例外があります。

  1. 新しい MX レコードを作成したり、既存の MX レコードを変更したりしません。

  2. 以前のメール サーバーに対する Sender Policy Framework (SPF) レコードがある場合は、Exchange Online に対する新しい SPF (TXT) レコードを作成するのではなく、ただ、現在の TXT レコードに "include:outlook.com" を追加します。たとえば、"v=spf1 mx include:adatum.com include:spf.protection.outlook.com ~all" になります。

    まだ SPF レコードがない場合は、Office 365 が推奨するレコードに現在のメール プロバイダーと protection.outlook.com を含めるように修正します。 これによって、両方のメール システムからの送信メッセージが承認されます。

手順 7: 現在のプロバイダーでメールの転送をセットアップする

現在のメール プロバイダーで、美帆と達矢のメール アカウントが onmicrosoft.com ドメインにメールを転送するようにセットアップします。

  • 美帆の A. Datum メールボックスは miho@cohowinery.onmicrosoft.com に転送する

  • 達矢の A. Datum メールボックスは tatsuya@cohowinery.onmicrosoft.com に転送する

この手順を実行すると、次のように設定されます。

  • miho@cohowinery.com と tatsuya@cohowinery.com に送信されたすべてのメールが、Office 365 で読める。

  • 美帆や達矢が受信したメールに返信すると、返信先アドレスは miho@cohowinery.com や tatsuya@cohowinery.com になる。

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  • 転送をセットアップするための手順の詳細については、現在のメール プロバイダーにお問い合わせください。

  • 現在のメール プロバイダーにメッセージのコピーを残す必要はありません。

  • 多くのプロバイダーではメールを転送したときに送信者の返信先アドレスが変更されないため、元の送信者アドレスに返信が届きます。

手順 8: メール フローをテストする

  1. 美帆の資格情報で Outlook Web App にサインインします。

  2. 次のテストを実行します。

    1. ローカルの Office 365 メールをテストします。 たとえば、達矢 (tatsuya@cohowinery.com) にメールを送ります。 このメールはすぐに配信されます。 このシナリオでは、メッセージは A. Datum の達矢のメールボックスにはルーティングされません。 Office 365 では、そのメールボックスがローカルであるとみなされるためです。

    2. 他のメール システムに属するユーザーにテストのメールを送ります。 たとえば、明日華にメールを送ります。 このメールは A. Datum サーバーの明日華のメールボックスに配信されます。

    3. 外部のアカウント、または他のメール システムに属するユーザーのメール アカウントからメールを送り、他のメール システムで転送が正しくセットアップされているか確認します。 たとえば、明日華の A. Datum アカウントまたは Hotmail のアカウントから美帆にメールを送って、それが美帆の Office 365 メールボックスに届くことを確認します。

手順 9: メールボックスのコンテンツを移動する

移動するユーザーは美帆と達矢だけで、2 人とも既に Outlook を使っています。そのため、古い .PST ファイルを新しい Outlook プロファイルで開いて、メッセージ、予定表の項目、連絡先などをコピーすれば、メールを移動できます。詳細については、「Outlook アイテムを Outlook データ ファイル (.pst) からインポートする」を参照してください。 項目が Office 365 メールボックスの適切な場所に整理されると、任意のデバイスでどこからでもすべての項目にアクセスできるようになります。

他にもメールボックスがあるときや、ユーザーが Outlook を使っていない場合は、Exchange 管理センターにある移行ツールを使用できます。その場合は、Exchange 管理センターに移動して、「電子メールを IMAP サーバーから Exchange Online メールボックスに移行する」の指示に従います。

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関連項目

ユーザーとドメインを Office 365 に追加する

スキルを磨く
トレーニングの探索
新機能を最初に入手
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